日本企業の女性活用は、アジアでも周回遅れ ガラパゴス化している、日本の女性活用【第3回】
これに対して日本は女性取締役や執行役員以前に、いまだ中間管理職レベルでさえも女性比率が極めて低い。さらに厚生労働省「平成23年度雇用均等基本調査」を見ると大手と中小の格差も大きいという問題もある。
課長相当職の女性比率は全体平均で5.5%だが、従業員1000~4999人だと2.7%、5000人以上は2.9%にしか達しておらず、部長相当職では全体平均4.5%、従業員1000~4999人では1.7%、5000人以上は2.0%と規模が大きくなるほど女性比率は低くなっている。
このように現在の日本は欧米先進国のみならず、主要アジア諸国からも大きく遅れていると言わざるをえない。
グローバル化が加速度的に進むことは避けられず、人的資源をいかにフル活用するかが国際競争力に直結することは間違いない。日本はもともと有能な女性が多いにもかかわらず、残念ながら組織に入るとくすぶっているというのが現状。女性が高等教育を受けていても、経済活動でその能力や知識をフルに発揮できなければ、企業だけでなく社会の損失となる。
成長市場アジアでのグローバル採用がもたらすもの
国内市場が縮小する中、日本企業は規模や業界を問わず、成長を求めアジア進出を盛んに行っている。グローバル採用として入社する外国人も、日本への留学生などアジア人が圧倒的に多い。日本人は外国人というとアメリカやヨーロッパを思い浮かべがちだが、むしろ欧米人よりもアジア人のほうが将来の同僚や上司、部下、そして、ライバルになる可能性が高くなると予想される。
このような状況で日本人女性がキャリアを中断する期間が長くなることや、企業が真剣に能力のある女性をフル活用しないとどうなのるのか。
「日本は海外と事情が違う」などと言ってもしょうがない。こうした状態が続けば、日本が諸外国に追いつくことができなくなるだけでなく、そのうち「アジア人女性上司の下で日本人女性が部下として働く」という構造が固定化してしまう可能性も大いにあるのだ。
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