コンタクトレンズの「常識」は、ウソばかりだ

「目に優しいコンタクトレンズ」はない

それなのに保存液すら買うのが面倒だからと、代わりに水道水を使う人もいます。水道水には雑菌が含まれていますし、地方によってはアメーバ原虫もいます。私の施設に駆け込んできたある患者さんは、水道水を保存液代わりに使ってアメーバ原虫による角膜炎にかかりました。眼が真っ白になってほとんど見えなくなったのです。早急に角膜移植をする必要がありました。

なぜコンタクトショップは駅前で大量のティッシュを配っているのか?

コンタクトレンズの問題は根深いものがあります。都会の駅の周辺には、驚くほど多くの眼科があります。極端に言えばビルごとにあります。しかし、そのほとんどはコンタクトクリニックだということをご存じですか。

医薬品医療機器等法ではコンタクトレンズは医師が扱うべき高度管理医療機器とされています。しかし、実際は眼鏡店やコンタクト会社のお店で宣伝して売ることが多いのです。医療法上の形を整えるために、コンタクトショップが医師を雇って診療所として届け出ています。

多くのコンタクトショップ直営の診療所で行われる診療は、きわめて形式的なものです。コンタクトのフィッティングを診ているだけです。コンタクトショップに雇われている眼科医は、未熟な医師の場合が多いのです。それどころか眼科医ではない医師が診療していることも少なくありません。

コンタクトレンズの原価は「数十円」

コンタクトショップが医師を雇って割に合うのかって? 割に合うのです。そもそもコンタクトレンズの材料費など数十円です。原価など知れているのです。つまりコンタクトレンズメーカーは数十円のものを数万円で売っているのです。その値段の根拠は、以前は医師が診療する代金も含んでいるからということでした。

ところが、開業医の先生方が、コンタクト屋がレンズを売るのはけしからん、診療所での診察を経ないとコンタクトは売らせないようにしろと、厚生省にねじ込んだのです。

しかしこれはまったく裏目に出ました。コンタクトショップが診療所を併設するようになったのです。しかも、同じビルであっても入口は別の診療所ですから、保険診療をしていると言って別に診察代金も取るようになりました。

資金のあるコンタクトショップは診療所の入口を別に作れますが、街の小さな眼科診療所は入口を別に作ることなどできません。コンタクトを販売することは物販なので、診療所ではコンタクトを販売できないのです。

結局、町医者たちがコンタクト販売のもうけ話を奪い返そうとしたのが、かえって自分たちではコンタクトを扱えなくなるという皮肉な状況となりました。

要するに、コンタクトレンズ販売はお店にとってすごい利益率なのです。原価数十円のものを仮に定価2万円で販売するとします。半額の1万円で「大売出し」と広告を打って、そ飛びついた人に、併設の診療所を通じて診療代金も取れば、大きな利益が上がります。だからどんどんと売りつけるわけです。

駅前で大量のティッシュを配っているのは、コンタクトショップであることが多いですよね。宣伝費を大量にかけても儲かる仕組みになっているのです。

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