31歳シンママ会計士が説く「超コスパ勉強法」 17歳で妊娠、DV、離婚にめげず27歳で合格

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ジャンルを問わず、勉強するときに最もやってはいけないのは、「勉強した気分になる」こと。その最たるところは、参考書や問題集を買い込んで浅読みしただけで分かったつもりになってしまう人です。特に、「新たに勉強しはじめるものは、基礎を身につけるために、『これ』と決めた1冊を繰り返し読み込むほうがいい」のでしょう。

集中力を高めた松岡さんは、さらにコスパのいい勉強法を実践するために、“理解”に関する考え方を変えたそうです。

「受験がはじまって1年が過ぎたころ、“理解”に深度と広さがあることに気づきました。たとえば、1項目で深度80%まで理解を深めて、それを10項目順番にやるのは大変ですし、なかなかうまく進みません。ですから私は、10項目をそれぞれ深度10%で理解してから、各項目間のつながりを理解するように心がけました。無関係に見える各項目の間にもつながりがあるので、広い視点での理解が必要なんです」

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これが松岡さんの“理解ワールド”です

松岡さんは各項目を全体的に理解できるように、参考書の各章や各項目のつながりを矢印や色、記号などでつなげた地図のような“理解ワールド”というものを作ったそうです。

「新しく勉強することはなじみのない言葉が多いので、紙に書いたほうが分かりやすいし、頭も整理できます。最初は深度10%でいいので簡単でしたし、“理解ワールド”を書いてから、予備校の先生が深度の深いことを話していても、何の話なのか理解できるようになりました。最大のコスト損失は、『何が分からないのか分からない』ことですから」

自分の時間を使って人に教える

話を聞いていて最も意外だったのは、これだけコスパ意識が高く、時間管理のできる松岡さんが「受験仲間にすすんで教えていた」こと。本来は「1分1秒でも自分の勉強をしていたい」のではないのでしょうか。

「『貴重な自分の時間を使ってでも、人に教えたほうがいい』ことの理由はいくつかあります。まず教えながら改めて自分への理解を深められますし、忘れにくい記憶として定着しやすくなります。それに、派生した質問のやり取りから、新たな気づきを得られることも多く、教えた人との間に信頼関係ができるのも大きいですね。ちなみに、サラッと一発合格した人たちは、議論することでさらにその効果を高めていましたよ」

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