新興メディアが老舗に飲み込まれ始めた!

いつまでも子どものままではいられない?

確かに、必要に迫られて投資が行われている。ニールセンによると、18~24歳のアメリカ人は、前年同期と比較して2016年第1四半期は、1週間にテレビを観る時間が、およそ2時間短くなっているという。

「戦略的投資と買収のこの継続的連鎖は、ある特定のオーディエンスへコンテンツをリーチさせる必要がある新しい大手プラットフォーム、つまりこれらのデジタル企業が活躍している場所が存在することを、正当に評価している。そして、自らそれを構築する代わりに、彼ら(テレビ業界)はそうした企業(デジタル業界)に投資する、もしくは買収をしているのだ」と、メディア投資とアドバイザリーを行う企業、クリエイティービーメディアの創設者、ピーター・サティ氏は述べる。

たとえば、2014年にBuzzFeedがリリースしたプレゼンテーションを見て欲しい。この資料においてBuzzFeedは、CNN、MTV、そしてコメディ・セントラルよりも、多くの米国人へリーチできる方法を宣伝していた。ミレニアル世代のあいだでは、これら3つのケーブルネットワークをはじめ、大手放送局CBSとNBCよりもリーチ数が大きいと、BuzzFeedは主張している。その1年後、NBCユニバーサルは、同社に15億ドル(約1500億円)の価値を認め、1回の取引で2億ドル(約200億円)を投資した。

このパートナーシップにより、NBCユニバーサルは、BuzzFeedがより多くの専門知識を持つプラットフォーム上の、より若いオーディエンスへのアクセスが可能となる。たとえば、リオ五輪関連では、BuzzFeedによって、NBCユニバーサルのSnapchat期間限定「ディスカバリー」チャネルが運営されたのだ

しかし、BuzzFeedのエグゼクティブチェアマン、ケン・レラー氏がいったように、NBCユニバーサルとの取引発表時、BuzzFeedはNBCユニバーサルと協業で、映画やテレビのコンテンツを制作する予定もあった。「テレビより偉大」であっても、BuzzFeedはテレビを欲しているのである。

失敗しても問題ではない

同様に、ターナーのRefinery29への投資には、同社の基盤の中核である、ミレニアル世代の女性たちをターゲットにした動画コンテンツを両社で一緒に制作する計画が含まれている。そのコンテンツの一部は、ターナーのケーブルネットワーク向けに制作されるかもしれない。「すべて検討の段階にある」と、ターナーの広報担当者は語る。ターナーとブリーチャーリポートの取り決めと、それは同じだ。

ディズニーやNBCユニバーサル、ターナーのように財政的に力のある企業にとって、大手デジタルパブリッシャーへの投資は、マイナス面よりプラス面の方が多い。「我々にとって、ベンチャーキャピタル型の投資というよりも、存亡をかけた投資なのだ。ビジネスモデル上ではより寛容になることも、そして収益化の点で追加のリスクを取ることもできる」と、前述の放送局幹部は語る。

一方で、これらのデジタルパブリッシャーらは、いつの日か彼らへの高い評価を満足させるため、この機会からより多くのものを引き出そうとしている。動画に優れたデジタルパブリッシャーが最後に成功するかは定かでないが、最終的にそれは問題ではない。失敗しても既存メディアがそのスクラップを拾うだろう。

「これらのデジタルメディアスタートアップ企業のほとんどをひとつにまとめた場合、それらの最善の長期的なビジネスチャンスは既存の確立された巨大メディア企業とパートナーになるか、買収されるかだ」とガーションメディア社長、バーナード・ガーション氏はいう。「彼らは、実のあるビジネスを構築している。しかし、今から5年後に彼らの多くが独立した企業体で存続するかどうかは分からない」

Sahil Patel(原文 / 翻訳 Conyac)

DIGIDAY[日本版]の関連記事
冬の時代に突入した、新興デジタルメディア 〜2番手以下は淘汰されるのか?
創業編集長が辞任、ハフポストにおける「中年の危機」:デジタルメディアの栄枯盛衰
「Google&Facebookは気にするな、むしろその逆張りを」:米エージェンシー360iのCEO

 

ビジネスの人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • 最新の週刊東洋経済
  • 「米国会社四季報」で読み解くアメリカ優良企業
  • ブックス・レビュー
  • 日本野球の今そこにある危機
トレンドライブラリーAD
  • コメント
  • facebook
-

コメント投稿に関する規則(ガイドライン)を遵守し、内容に責任をもってご投稿ください。

ログインしてコメントを書く(400文字以内)
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
イオン23年ぶりトップ交代<br>新社長に2つの重い課題

GMS(総合スーパー)最大手のイオンが23年ぶりの社長交代を決めました。ただ、目下のグループ経営は、低採算にあえぐGMS事業、緒に就いたばかりのネットスーパー事業と課題が山積。荒波が押し寄せる船出で、針路が注目されます。