アマゾン攻勢!「YouTubeに宣戦布告」の勝算 「ビデオダイレクト」が目指しているもの

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アマゾンのプライム会員制サービスに参加しているパートナー企業のある人物は、「事前に予測できていなかったが、これまで嬉しい驚きとなっている」と評価しつつ、今後の懸念も示す。「長期的な問題は、『潜在的な契約者がここに何百万人もいるのか、それともニッチな規模にとどまるのか?』ということだ。これはまだ、見極めがついていないように思う」。

ニッチでも勝負できる場所

アマゾンの追加会員制サービスのページでは、多数のパブリッシャーによるコンテンツが紹介されている。ショータイムやスターズといった質の高いケーブルネットワークも並ぶが、これらは実質的に、テレビ用チャンネルで視聴できる番組をそのまま配信している。

しかし、リストの大半は、ニッチなストリーミングサービスが占めている。具体的には、A&EやAMCといったテレビネットワークのほか、チェダーやテイストメイドのようなデジタルパブリッシャーが配信するコンテンツだ。

「HBOやショータイムでない限り、ここで契約者を何百万人も獲得するチャンスがあるとは思えない」と、先述のパートナー企業の人物は語る。「それでも、ニッチなサービスなら、かなりの契約増が見込める」。

大手のテレビネットワークなら、アマゾンのビデオダイレクトは不要かもしれない。だが、こうしたニッチなパブリッシャーにとって、アマゾンの規模が魅力的なのは明らかだ。アマゾンの公称では、プライム・ビデオの会員数は「数千万人」。さらに、多くのコンテンツパートナーは、追加会員制サービスのほうがユーザーに視聴契約を結んでもらいやすいと考えている。新たなログインアカウントを作成したり、決済情報を改めて入力する必要がないからだ。

「アマゾンのプライムビデオは巨大な存在だ」と、TENのCMO、アナスタス氏は認める。「あまりに重要なエコシステムだ。もはや避けては通れない」。

YouTubeクリエイターも勧誘

アマゾンは明らかに、YouTubeコミュニティに関心をもっている。ビデオダイレクトを発表した際、ローンチパートナーとして、マシニマ、スタイルホール、キン・コミュニティ、ヤング・タークスといった、YouTubeにコミュニティーをもつネットワークやクリエイターの名前を挙げているからだ。

ヤング・タークスを除いて、追加会員制サービスでコンテンツを販売しているこれらデジタルパブリッシャーにとって、ビデオダイレクトは二重にありがたい存在かもしれない。YouTubeの広告だけだと、持続可能なメディア事業の構築は難しい。有料会員制は、新たな収入源を得る取り組みとして、大勢が模索している選択肢だ。アマゾンのビデオダイレクトが継続的に売上をもたらすなら、YouTubeコミュニティがこれを無視するのはますます難しくなるだろう。

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