東急の大開発で若者の街シブヤはこう変わる 100年に1度の再開発、苦悩するIT企業

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渋谷駅は、周囲を道玄坂、宮益坂、桜丘など、坂や丘の地名に囲まれているが、それもこれも渋谷駅が谷の底にあたるためだ。そのため、渋谷駅で4階レベルの歩行者デッキは、そのまま「渋谷マークシティ」のある道玄坂や、住宅が整備される桜丘口地区までフラットに伸ばすことが検討されている。

他方、その下に広がる若者向けの渋谷とは、いま広がっている渋谷の街そのもの。地上レベルでは、2026年度までにハチ公広場やスクランブル交差点を含む駅前広場が整備される予定だが、ゲリラライブが繰り広げられ、DJポリスが活躍する渋谷の活気は継続させることを目指す。 

電車の乗り換えは縦の動線で改善

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渋谷駅再開発後の構内動線改良イメージ。乗り換えを縦移動で実現する(画像提供:東京急行電鉄)

電車乗り換えのわかりにくさ、不便さの解消も、再開発の重要なポイントとなる。JR渋谷駅の1日当たり乗車人員は37万人で、76万人の新宿駅、55万人の池袋駅に大きく水をあけられている(2015年度)。

東急電鉄によれば、2019年にはJR線―東急東横線(東京メトロ副都心線)間の乗り換え所要時間が、現在の3分半から、2分にほぼ半減するという。両改札は上下階を結ぶエスカレーター1本でつながる。

渋谷駅再開発において、動線改良のカギと位置付けられているのが、こうした縦方向の動線だ。そのためにも、地下鉄銀座線ホームは東へ130メートル、埼京線ホームは北へ350メートル移設することで、乗り換え客は主にエスカレーターやエレベーターの縦移動によって、他の路線へ移動できるようになるという。こうした縦動線は「アーバンコア」と呼ばれ、乗り換えに限らず、上下に伸びる渋谷の都市空間をつなぐ役目を果たす。

実際のところ、その利便性の改善度合いは使ってみるまではわからないが、職住遊近接の都市が実現し、交通利便性が高まって来街者が増えれば、渋谷の都市力はいっそう高まることだろう。100年に1度といわれる一大再開発が進む渋谷駅周辺は、いったいどんな姿になるのか。

茨木 裕 東洋経済 記者

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いばらき ゆたか / Yutaka Ibaraki

1975年生まれ。「週刊東洋経済」編集部所属

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