JR大阪三越伊勢丹、苦戦の理由 三越伊勢丹HD大西社長に聞く

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――伊勢丹の代名詞でもある自主編集売り場が、大阪では苦戦を続けています。

こういう状況なので、自主編集売場は中途半端が一番良くない。例えばですが、新宿で評価されているMDを大阪に持って行くことも考えている。地元百貨店では購入できない商品です。

従来のMDは東京の商品と大阪の商品とをミックスして中途半端でした。ある程度、伊勢丹でしか、新宿でしか出来ないものを視野に入れる必要があるかもしれない。『伊勢丹色』というと誤解を招くおそれがあるかもしれませんが、地元百貨店にいかに勝つか、これだけは絶対に勝てるというものをどれだけ作れるか、が重要です。

これは婦人衣料でのテーマになります。食品では別の方法を考えないと(地元百貨店に)太刀打ちできない。それをこの半年ぐらいで具体的に考えていきます。

増資や出資比率見直しの予定はない

――運営会社は債務超過ですが、売り場改装などの資金需要への対応や財務内容の改善のために増資の予定はありますか。またJR西日本との出資比率を見直す可能性は?

今のところ増資の予定はありません。もちろん両方の親会社が(投融資など)何らかの支援をしていかないと厳しい状態にはありますが、現状ではどうするかは決めていない。今後、考えていく必要があるかもしれない。(ジェイアール西日本伊勢丹の)出資構成が変わることはありません。

(撮影:梅谷 秀司)

石川 正樹 東洋経済 記者

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いしかわ まさき / Masaki Ishikawa

『会社四季報』元編集長。2023年より週刊東洋経済編集部。

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