リクルート、「19歳・雪山ブーム」の仕掛人

”スタートアップ屋”の、すさまじい開拓力

加藤の日常は忙しい。地元・鎌倉で長女を預けたあと、東京本社内の保育所に預ける下の子を連れて出勤する。混雑を避けるために、通勤では“グリーン車”を使用。PCなどを使うためにコンセントのある窓際の席を陣取るなど、日々の時短にも余念がない。

市場リーダーだからこそ、できること

今、加藤には大きな野望がある。旅行市場自体を拡大することだ。

加藤にとって、「じゃらんnet」の成功は、自身の成功体験のひとつだった。しかし実態は、リアルの大手旅行会社から、ネットの旅行サイトへユーザーが移行しただけ。消費者は便利になったものの、市場全体、地域経済の拡大にはつながっていなかったということに、加藤は衝撃を受けたという。

旅行する人を増やし、それにより地域経済が回るように、市場の拡大に本腰を入れたい、と加藤は言う。

それは今後、『じゃらん』が市場のリーダーを目指すことと相反しない、と加藤は捉えている。例えば自動車市場のリーダーであるトヨタはクルマの楽しさや快適性をPRするし、結婚市場においてはゼクシィが結婚式のすばらしさをCMで紹介する。『じゃらん』が旅行業界のリーダーになれば、きっと市場も広げられる――。

取材の最後に、社内での受賞歴など確認したのだが、多数の快挙があるはずが、本人ははっきり覚えていないという。

「20代の頃の受賞歴は記憶のかなたというか。ここ最近のものだけは覚えていますけど(笑)」

加藤の挑戦はまだまだ続きそうだ。(=敬称略=)

(撮影:尾形文繁)

 

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