韓国大慌て、「まさか再び核実験を行うとは!」

北朝鮮の5回目の核実験に韓国は我慢の限界

今回の核実験後に韓米首脳も電話会談を行った。米国のオバマ大統領は、米国と同レベルの防衛力を同盟国に提供することを再度確認した。北朝鮮による核の脅威が最高潮に達している中、米国はこの約束を履行するために米国が持つ戦略資源を総動員して、北朝鮮に対し武力による圧力をかける可能性が出てきた。ケリー国務長官は尹外相に対し、「金正恩は挑発的態度を変える可能性がとても低く、強力な制裁を加える必要がある」と述べている。

9月10から13日まで、北朝鮮の核問題を議論する6者協議における米国側首席代表であるソン・キム国務省対北政策特別代表が日韓両国を訪問する。これを契機に、追加的な制裁案について集中的な議論を行う予定だ。また国連総会と来月に米国で行われる外交・国防相会議で、具体的な内容を議論するものと思われる。併せて、北朝鮮の核攻撃を防衛できる「高高度ミサイル防御システム(THAAD)」の配置作業も加速化するだろう。

今年3月にこれまでの制裁を大幅に強化していくことを求め、国連安全保障理事会で決議された「決議第2270号」が採択されてから6カ月経った。だが、強力な制裁にもかかわらず北朝鮮が核実験を行ったことで、「国際社会対北朝鮮」の構図は今後も続くほかない状況だ。THAADの配備問題で米国と対立している中国もまた、国連安保理の常任理事国として今後も対北朝鮮の経済制裁に参加していくものと思われる。

追加制裁案には中国からの反発も

9月10日、ソウル中心部で抗議運動を行う人々(写真:REUTERS/Kim Hong-Ji)

しかし、今後行われる追加制裁案に関する議論では、北朝鮮の民生経済にまで影響を与えうる、より強度な経済制裁案に同意するかどうかは未知数だ。中国の理解と制裁案とそれを考慮した経済活動監視行動(セカンダリーボイコット)などの議論については、中国側は強く反発する可能性も高い。

米韓両国は中ロ両国が経済制裁に同調できるように誘導する計画だが、中国国内では米国主導の制裁に対する懐疑論が出てくる可能性もある。すでに半年も高感度な制裁を実施してきたが、北朝鮮が変化する兆しが見えないためだ。

この場合、再び朝鮮半島の非核化と米朝両国での平和協定締結を先にすべきだとの主張を中国側が出してくることもありうる。韓国・亜州(アジュ)大学政治外交学科のキム・フンギュ教授は「中国が朝鮮半島政策をどう調整するか熟考し始めるだろう」と指摘する。

今回の核実験で、朴槿恵政権が朝鮮半島の緊張状態を改善することは不可能だという意見が出てきた。韓国政府内では、今年1月の4回目の核実験で朝鮮半島情勢が硬直化した際に「南北関係はこれ以上悪くなることはない」という見方が支配的だった。

しかし、その期待は裏切られた。政府当局者は「南北関係がどん底にある状況での5回目の核実験に、韓国政府は我慢の限界に達している。現政権で南北関係の改善を望むことは非常に厳しい」と言う。また、別の政府関係者は「国民の世論も現状では北朝鮮との対話に納得できないだろう」と打ち明ける。緊張は、これまでになく高まっている。

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