ビールシェア4位、サッポロの起死回生策 サッポロビール 尾賀真城新社長に聞く
2008年、サントリー酒類に抜かれて以来、ビール類のシェア4位に甘んじるサッポロビール。12年には、業界では禁じ手とされているPB(プライベートブランド)ビールを発売した。新社長はいかに起死回生を図るのか。
──サッポロは大手ビールメーカーで最下位の4位に沈んでいます。
3位のサントリーの好調さは肌で感じているが、ライバルに対して変に気負わないほうがいい。ただ、シェアは顧客の支持の表れ。狭いエリア、小規模の商品でナンバーワンを取ることから始める。
──サントリーの「プレミアムモルツ」が好調の一方、「エビス」は苦戦しています。
数字を見れば売り負けたともいえるが、悲観はしていない。エビスは正月、お盆などの晴れの席や贈答用に強い。ただ昨年は、そうした売れる時期に、製品が店頭に十分に並ぶよう商談し、広告が効果的に流れたかといえば反省が残る。ブランド強化のため、開発から広告、売り場作りまで一貫した戦略を取る。そうすれば、よりうまくいくはずだ。
──昨年、セブン&アイ・ホールディングスと共同開発したPBビールを投入しました。自社ブランドを侵食する懸念はありませんか。
13年、PBビールは伸びるが、主力になることはありえない。ほかの小売りチェーンと組むつもりもない。メインはあくまで自社ブランドだ。
──とはいえ、消費者の低価格志向が根強いのは明らかです。
イオンの韓国製新ジャンルビールのように低価格(350ミリリットル88円)で人気のPBはある。だが、サッポロのPBは198円、主力の「黒ラベル」との価格差も1割だけで安さを武器にはしていない。価格重視の消費者にはPBではなく、新ジャンルを売り込んでいく。
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