ミスの多い人がわかっていない集中力の本質 散漫になりがちな注意力も上げられる
よって校正をするときはあえて内容を追わず、文脈を気にせず、ただ目の前の文字に注意を向けるようにしました。もちろん内容的なチェックも必要ですが、一度にすべてやるのではなく、注意を向けるところを変えたのです。
たとえば、「漢字の誤植を探すモード」「数字の間違いを探すモード」「図版の間違いを探すモード」「文章の流れを正すモード」と、毎回メガネを変えていく感覚です。
注意の矛先で見えるものが変わってくることを実感した体験となりました。
「すぐやる」が注意力を節約する
最近、『結局、「すぐやる人」がすべてを手に入れる』(藤由達藏著/青春出版社)といった本が20万部を超えるベストセラーになって話題になりましたが、この「すぐやる」も注意のムダ遣いを減らし、注意力をフルに活用するための1つの手段です。
人は中途半端な状態のものほど意識に残ると言われています。これを「ザイガルニック効果」と呼びます。
たとえば連続テレビドラマで、山場の途中で話が終わると、続きが気になってしょうがなくなるあの現象のことです。
このようにザイガルニック効果は何かを記憶に残したい場合には積極的に使いたいものですが、おわかりのように「気になる」状態とは注意力を奪っている状態のことでもあります。よってアテンションミスを減らすという目的であれば、中途半端な状態はできるだけなくすことが大事です。
もちろんドラマは視聴者がコントロールできるものではありませんが、仕事であれば自己裁量が効くはずです。たとえばその日にやると決めた仕事は多少残業をしても終わらせる。そのほうが達成感もあいまって脳はストレスフリーならぬ、アテンションフリーになり、ビールの味もおいしく感じることでしょうし、心配事がなければ睡眠もしっかり取れ、翌日の仕事がまたはかどるはずです。
また、終わらせることの重要性は目の前の仕事の話にとどまりません。
たとえば上司に謝らないといけない隠し事があったり、ずっと読みたいと思っている本があったり、いつかは会って話をしてみたい経営者がいたり、人は何かしらの未完了事項を抱えているものです。
そういったものは知らず知らずのうちにあなたの注意を奪っている可能性があります。ですので、1年に1回でも半年に1回でもいいので、あなたが気になっていることややり残していることなどがあれば「未完了リスト」として紙に書き出し、完了予定日を設定して、片っ端から片づけてみてはどうでしょうか。いわば人生のTO DOリストです。
もちろん、すべて完了できるとは限りませんし、検討した結果、リストに載せないという判断を下す場面もあるでしょう。それはそれでいいのです。なんらかの決着をつけ、気になることを1つでも減らすことができれば、それは必ずアテンションミスを減らしてくれます。
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