ユニクロ社員が不幸になる"合理的な"理由

スタッフの足跡をたどって見えたもの

あれから12年の年月が経つ。消去法で選んだフリーライターという職業も何とか軌道に乗り、少しは冷静にユニクロを見られる気がする。

そこで、町田店で一緒に働いていた同僚たちを10年ぶりに訪ね歩いてみた。開店時の混乱(僕のダメ社員ぶりが一因)によって殺伐としていた青葉台東急スクエア店とは違い、ベテランスタッフが多くて郊外のロードサイドにあった町田店は、和やかな空気に包まれていた。店舗内で派閥やいじめはなく、プライベートで頻繁にカラオケや食事に行くほど仲が良かった。旧型の店舗であったため、黒字にもかかわらずスクラップされてしまったけれど……。

かつてのスタッフでユニクロに残ったのは……

1年かけて、学生アルバイトから店長まで9人と再会することができた。取材を進める過程で、僕と同期入社の社員(大半は退職)と連絡を取り合ったり、現在のユニクロ店舗で働くアルバイトスタッフや社員と言葉を交わすこともできた。

町田店に勤務していた20人超のスタッフのうち、閉店後も別の店舗で働くことを決めた人は店長(平社員に降格)と障害者雇用の男性のみ。残りは近隣店舗への異動を断ったか、異動の打診をされずに契約を打ち切られたかのどちらかだ。

10年後の彼らは何をしているのだろうか。訪ねてみると、なぜか全員がアパレル以外の業界で生計を立てていた。自動車部品工場のパート社員、老人保健施設の正社員、チラシポスティング会社の正社員、看護師を夢見る主婦、コンビニチェーンのスーパーバイザー、子育て中の主婦、通信機器企業の正社員、夫の会社の手伝いとガス検針のアルバイトをしている主婦、保険会社の営業マン……。彼ら一人ひとりの物語は今月発売した拙著『私たち「ユニクロ154番店」で働いていました』で読んでもらいたい。

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