ユニクロ社員が不幸になる"合理的な"理由

スタッフの足跡をたどって見えたもの

僕はユニクロ勤務時代にサービス残業などの理不尽さを強要されたことはない。ユニクロがいわゆる「ブラック企業」なのかは今でもよくわからない。ユニクロ社員の8割が不幸になってしまうのは、むしろ合理的すぎることに起因していると感じている。

柳井社長が時折ブチ上げる途方もない必達目標(2020年の売上高5兆円!など)は別として、ユニクロは「完全実力主義」の人事方針に恥じない徹底した合理主義で貫かれている。商品の生産から販売スタッフの採用まで、すべてが理路整然としているのだ。

柳井社長は2020年までに売上高5兆円という高い目標を掲げる(撮影:尾形文繁)

過去の失敗や成功はほとんど問われず、つねに4半期ごとの業績で評価される。SKIP事業を撤退した後にジーユー事業で復活した柚木治社長の例もある。逆に、どのような役職にあっても、業績を上げ続けなければ店舗勤務の平社員に降格されかねない。年齢や経歴は関係ない。

もちろん、平社員にも甘さはない。配属先の店舗でスタッフを適切に導いて売り場を切り盛りすることができなければ、「なぜできないのか、いつまでにどうやって改善するのか」という厳しい追及の対象になり続ける。そして、自信と気力を少しずつ失っていく。

ユニクロはプロスポーツチームのような会社?

常に結果を求められるプロスポーツチームのような会社なのだ。離職率の高さで言えば、外資系の金融機関やコンサルティングファームと似ているかもしれない。アジア諸国のグローバル企業も同じようなものだ、という声もある。ただし、ユニクロに新卒入社する場合は、「20代で自信喪失して退職する」リスクを背負う割には、給与面でもキャリア面でも見合ったリターンは得られない。

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