毎年マジで貯めないとヤバイ金額はいくらか 「人生設計の基本公式」を知れば生活が変わる

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読者も、何はともあれ、おおよその数字を入れて、ご自身の経済的な現実を見てみて下さい。

「人生設計の基本公式」の上手な使い方

「人生設計の基本公式」は、これを使って、あれこれを調整してみるところにこそ使用上の醍醐味(?)があります。

たとえば、先ほどの50歳会社員男性に関する必要貯蓄率について、どう思われたでしょうか。「27.8%も貯蓄するのは、俺はムリ!」と思われた読者が多いのではないかと、想像します。

「そうだ、会社員には退職金があるではないか」と思いついたあなたは、人事部に退職金のおおよその予想額を聞いてみましょう。これが、1800万円だとすると、先の例ではどうなるでしょうか。

この場合、予想される金額の変動を「現在資産額」に増減してみて下さい。先ほどと同様に計算すると、分子が、(0.7×600万円)−180万円−100万円=140万円です。分母の計算は変わらないので720万円で、140万円を割り算すると、「必要貯蓄率」は0.1944……と計算されます。

「手取り所得の2割貯めておけば、老後は、おおよそ現役時代の七掛けの生活が出来る」と分かると、安心ではないでしょうか。

あるいは、退職金が1800万円あるとして、この男性が、たとえば地方暮らしを選ぶと「老後は現役時代の半分で十分暮らせる」と割り切った場合はどうなるかというと、さきほど計算式の分子は、300万円−180万円−100万円になる(現在資産が3000万円に増え、それを30年で崩す)なので、20万円となります。分母が(0.5+0.5)×600万円=600万円なので、20万円を600万円で割り算して、答えが0.03333……ということは、必要貯蓄率が一気に約3.3%まで下がるということになります。もちろん、これも一つの生活設計でしょう。

しかし、例えばこの男性に、来年中学校に入る息子がいるとして、息子が私立の中・高・大と進学したらどうなるでしょうか。仮に、それぞれの学校の入学金を100万円(×3回)、1年当たりの授業料を100万円(×10年)とすると、1300万円掛かることになります(学費の詳しい金額については、岩城さんの記事を参照されて下さい)。

息子を私立にいれることの経済的現実性を検討してみましょう。この場合も、現在資産額を増減すると、大まかな状況が計算できます。「老後生活比率」を0.7として計算すると、分子が(0.7×600万円)−180万円−(1200万円+1800万円−1300万円)÷30=183.33万円、分母は720万円なので、現役時の必要貯蓄率は0.2546……、つまり25.5%ということになります。「不可能ではないけれども、かなりの圧迫感だ」と思うお父さんが多いのではないでしょうか。

では、このケースで、「老後生活費率」を0.5倍に我慢するとどうなるでしょうか。分子は(0.5×600万円)−180万円−(1200万円+1800万円−1300万円)÷30=63.33……万円で、分母は(0.5+0.5)×600万円=600万円なので、必要貯蓄率は0.1055……、つまり約10.6%で、手取り収入の一割強を貯蓄すればつじつまが合うということになります。

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