リオ五輪、ブランドの「勝者」と「敗者」はどこか

アンダーアーマーは圧倒的な勝者だ

さらにナイキ(Nike)にとっても、彼女はデジタル認知度の点で最重要アスリートとなっている。同じ期間に、リオ五輪に関連した同社の全デジタルコンテンツが獲得したエンゲージメントのうち、18%がバイルズ選手に言及していた。これは、リオ五輪中にナイキと契約していたアスリートのなかで最多であり、テニスのセリーナ・ウィリアムズ選手や、バスケットボールのケビン・デュラント選手をも上回った。

Losers / 敗者たち

ブラジル:リオ五輪により、ブラジルの暗部にも光が当てられた。景気後退、ジルマ・ルセフ大統領の弾劾、ジカ熱の流行、治安の悪さ、水質汚染といったものだ。

オンラインでもその傾向は顕著で、アモビーによると、ブラジルに関連するデジタルコンテンツのエンゲージメントで、「犯罪」への言及は大会期間中に147%増加(8月5日~18日と、7月22日~8月4日の比較)。ジカ熱も大きな話題となり、オリンピック期間中のブラジル関連デジタルコンテンツのエンゲージメントで、約9%がジカウイルスに言及していた。

ライアン・ロクテ選手:その一方、ブラジルの印象を相対的に良くした人物がいるとしたら、それは間違いなく、競泳男子米国代表のライアン・ロクテ選手だ。バイルズ選手のブランド力が急騰する一方で、ロクテ選手のそれは暴落した。

リオで強盗被害にあった話をでっちあげたロクテ選手とチームメイト数人。この件は、8月14日以降メディア各社のトップニュースで報じられた。シソモスによると、ハッシュタグ「#ロクテゲート(#LochteGate)」(ニクソン米大統領が引責辞任に追い込まれた陰謀「ウォーターゲート事件」に引っかけた造語)は8月17日からトレンドに登場。これまでに14万5000回以上ツイートされたという。

「ライアン・ロクテ選手はもしかしたら、自らのウソで『ブラジルは安全だ』と、逆説的に証明する偉業をやってのけたのかもしれない」と、アモビーのコーエン氏は皮肉まじりに語る。

エージェンシーのウォルトン・アイザックソン(Walton Isaacson)でシニアバイスプレジデントと戦略責任者を兼任するクリスティン・ビラヌエバ氏も同意見だ。「水泳選手たちの名声は沈んだままに見える。米国メディアでさえ、これまでのところ中立の論調がせいぜいだ」。

NBCとそのコメンテーターたち:NBCに関連するデジタルコンテンツのエンゲージメントは、大会開幕から46%増加した(8月5日~10日と、7月30日~8月4日を比較)。だが、NBCは批判にもさらされ、ツイートの25%はネガティブなものだった。

複数の女性アスリートたちに関してNBCが性差別的なコメントを連発したことに対し、否定的な報道とソーシャルメディアの反応があった」と、ビラヌエバ氏は指摘する。「事態はおおむね沈静化したようだが、これからも失言を聞き逃さないつもりの人もいるだろう」。

Tanya Dua(原文 / 訳:ガリレオ)

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