邦銀のサブプライム関連商品の保有・損失処理状況─邦銀は対岸の火事でいられるか─

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銀行名
A は、米国サブプライム住宅ローンに関連した商品への投資状況
B は、Aに関連した損失処理の状況
C は、モノラインに関連したエクスポージャー、損失の状況
宮崎銀行  A CDOなどさらに派生させた商券化商品の残高が44億円、サブプライム組み入れ比率5~17%。
 B 償却7億円を実施(BS上で715百万円の評価減を実施。07年12月末で681百万円の評価損の見積もりを開示)。
西日本シティ銀行  A CDO4銘柄、格付けはAAA2銘柄、Aマイナス1銘柄に14億円を投資、(サブプライムの)組み入れ比率は20%。
 B 償却損は253百万円、売却損は211百万円(BS上で201百万円の評価減を実施)。
 C モノラインの保証付き証券化商品の保有残高は737百万円。
みずほ信託銀行  A 外貨建て証券化商品残高は34億円、全額SIV関連投資。
 B 与信関連費用23億円計上。
中央三井トラスト・ホールディングス  A サブプライムローン投融資なし。海外向け投融資はマネッジド型シンセティックCDO100億円(評価損益▲21億円)含む1240億円(同▲57億円)。
 B 保有するファンド(300億円)の投資先に、一部米国ホームエクイティローンを裏付けとする資産担保証券31億円が含まれていた。2007年12月末までに全額売却、損益▲2億円。
住友信託銀行  A 北米サブプライムローンを主たる対象資産とする融資額は179億円(取得原価)、評価損益は▲18億円。海外クレジット投資のうち、時価のある資産担保証券への投資は7198億円(評価損益▲319億円)、RMBS2688億円、CLO2339億円が主柱。
 B 海外クレジット関連の損失は279億円、うちSIV発行キャピタルノート175億円、法人向けローン93億円、CLOエクイティ7億円。
 C モノラインの保証付き投融資は186億円。
新生銀行  A 米国住宅ローン市場における、評価損失および引当金控除後のエクスポージャーは3億米ドルを下回る規模(2007年12月末)。
 B 2007年度第3四半期までの9カ月で、202百万米ドル(228億円)の評価減と引き当てを実施。
あおぞら銀行  A CDO35銘柄に投資、取得原価645億円、簿価263億円。
 B CDO減損365億円、純資産直入15億円。
東京スター銀行  A 2007年9月中間期において20億円の評価損を計上し、米国サブプライムローン裏付け資産に一部でも含む債務担保証券(CDO)の残高を2007年6月末比28%減の51億円(全貸出金ならびに有価証券残高の0.34%)に引き下げ。
 B 特別損失(有価証券評価損)として約20億円計上。
高知銀行  C モノラインの保証付き証券化商品の保有残高は117百万円。
沖縄海邦銀行  A サブプライムローンを含むCPDを2銘柄、簿価3億円、格付けAAA(S&P)、組み入れ比率0.5%程度を保有。その他1銘柄、簿価5億円、格付けAA(S&P)については、参照債務にサブプライム関連商品にて損失計上している金融機関またモノライン保険会社があり、クレジットスプレッドワイド化の影響を受けているCDOを保有。
 B 国債等債券償却、164百万円計上。
(出所)アンケート、公表資料、個別調査
(注)原則、2007年12月までの保有、損失処理。損失処理は原則、損益計算書に基づくもの。一部概数を含む
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