いよいよ、黒田東彦日銀総裁が20日に誕生する。黒田総裁が、どのように考え、何をしていくか。「はずれ連発」を覚悟で、予想してみよう。読者の皆さんには、個別の予想ではなく、彼の考え方を伝えたい。それを、皆さんの個別の予想に役立てていただきたい。
妥協せず、信念を貫く黒田氏は総裁に適任
黒田氏は、私が大蔵省(当時、現財務省)に入省するときの、総務課長面接で初めて対峙した。内定をもらうためには、大蔵省の当時七局(主計局、主税局、銀行局(現金融庁)、国際金融局(現国際局)など)と官房など、確か10名ほどの総務課長と内定候補者1名との面接試験があった。
そのとき、主税局の総務課長だった黒田氏は、私の作成途上の学部の卒業論文に興味を持ってくれ、徹底的に議論した。すべての面接時間が、彼との議論だったと思う。その論文は、恋愛の経済学で、卒業時には大内兵衛賞(編集部注:経済学部で極めて優れた卒論に贈られる賞)をもらうことになるのだが、そんな奇怪な論文に興味を持ってくれ、議論してくれたのは黒田氏だけだった。
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