個人投資家が本格回帰、日本株は底上げへ 株価急騰の不動産関連株、目先は注意を

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特に、3月に入ってから株価急騰が目立つ不動産や、土地持ちの含み資産銘柄には目先注意が必要であろう。3月21日に発表される公示地価を先取りして株価が上昇していると思われるが、発表後は材料出尽くしでいったん下がる可能性もある。

一方、物色の対象が広がり、これまで見向きもされなかった小型割安株にも見直し買いが入ってきたことは明るい材料だ。3月15日に発売されたばかりの『会社四季報』春号と、『会社四季報プロ500』春号の初速の売れ行きは、これまでとは様変わり。こんなことからも、株式市場を取り巻く環境の変化が感じられる。

3カ月前の前号の売れ行きも、それ以前に比べるとよかったが、今号はさらに大きく上回る勢いのようだ。3カ月前は海外投資家の買いで日本株は上昇し始めていたが、個人投資家の間ではまだ懐疑的な見方が多かったのかもしれない。

現時点でも、海外投資家の目が届かない小型株の中には、安定した利益をあげ、PBR(株価純資産倍率)で1倍割れ、という割安銘柄もまだ多く残されている。これから個人投資家が本格的に戻ってきて見直し買いが入れば、日本株は調整をはさみつつも、全体として底上げされていくだろう。

「株式ウイークリー」編集長 藤尾 明彦)

藤尾 明彦 東洋経済 記者

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ふじお あきひこ / Akihiko Fujio

『週刊東洋経済』、『会社四季報オンライン』、『会社四季報』等の編集を経て、現在『東洋経済オンライン』編集部。健康オタクでランニングが趣味。心身統一合気道初段。

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