ボールペン次第で仕事の効率はグンと高まる 文具のカリスマがこっそり教える厳選3種

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■カランダッシュ「849ボールペン」

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ボディが1つのパーツでできているのが特徴

「カランダッシュ」は、ロシア語で鉛筆を意味する。その生い立ちを象徴する六角軸の鉛筆フォルム、しかも、使い込んで油が乗り切ったほどよい短さだ。この「849コレクション」はボディが1つのパーツでできている。一般的なペンは中央につなぎ目があるものが多い。1つのパーツであることで、故障などのトラブルを起こすリスクが最小限に抑えられる。パーツが多くなれば、その分、可動部が増えていろいろなトラブルが起こりうる。

しかし、ひとつのパーツといっても、決して簡単に作れるものではない。逆に精度が求められる。たとえば、先端部分はペン先が出たり入ったりする。同時に書き味を左右する大切な部分だ。そこをがたつきがないようにしなくてはならない。

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ノックボタンをねじって外すと、大容量のインクタンクが出てくる

また、分解してみるとわかるが、ノック機構はボタンとリフィルパーツとスプリングだけという最小限の構成。分解したボディを望遠鏡のように覗くと、ほとんど遮るものはなく、向こう側が見えてしまう。つまり、1本の筒状ボディに余計なものを一切加えずに、それ自体の精度を上げることでリフィルやノックボタンの固定まで行っている。

専用リフィルには「ゴリアット」(ギリシャ神話の巨人)という名前まで付いている。通常のボールペンの筆記距離がおよそ1.5kmであるのに対して、ゴリアットは8kmも書けるというから驚きだ。

低重心で楽しめる滑らかな書き味

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ボディの重量バランスは、ほぼ中央にある

■パイロット コクーン・ボールペン

パイロットの滑らか油性ボールペンインキ「アクロインキ」。そのインクを使った「コクーン」。丸みを帯びたシンプルなシルエットが美しい。ボディをツイストして、ペン先を繰り出して書いてみると、感じるのがバランスの良さだ。

そして、ボディの重量バランスが中央にあるので、ライティング・ポジションが決まりやすく、ペン先をスムーズに運べる。ペンと口金のすき間もほとんどなく、安定感のあるなめらか筆記が堪能できる。ボール径はノート筆記に最適な0.7mmの細字。リフィルは100円とリーズナブルなのが嬉しい。

土橋 正 ステーショナリーディレクター、文具コンサルタント

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つちはし ただし / Tadashi Tsuchihashi

ステーショナリーディレクター、文具コンサルタント。

文具の展示会ISOT事務局を経て、土橋正事務所を設立。商品企画や商品PRのコンサルティング、文具売り場のプロデュース、商品セレクト、ディレクションなどを行っている。また、文具ウェブマガジン「pen-info」の発行をはじめ、雑誌・新聞への寄稿多数。これまでに書いてきた文具コラムの数は948本にのぼる。日本経済新聞の新製品評価委員、生活総合情報サイト「All About」のステーショナリーガイドも務める。

著書に『仕事文具』『モノが少ないと快適に働ける』(ともに東洋経済新報社)、『文具の流儀』『文具上手』『仕事にすぐ効く魔法の文房具』(いずれも東京書籍)、『やっぱり欲しい文房具』(技術評論社)、『ステーショナリーハック! 』(共著、マガジンハウス)、『文房具のやすみじかん』(共著、福音館書店)がある。

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