被災者医療費免除、宮城で4月打ち切り続出も 宮城・岩手・福島の東北3県で明暗

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宮城県後期高齢者医療広域連合は「3月21日に開催する運営連絡会議で方針を決定したい」(保険料課)というが、継続するには市町村からの財源の拠出が必要で、ハードルが高い。

岩手、福島両県は支援継続

一方、岩手県や福島県は、免除に必要となる財政支援を12月末まで続ける方針を示している。岩手県後期高齢者医療広域連合も、国と県からの財源拠出を受けて、医療費の免除を継続する。県からの財政支援などを元に、福島県内では相馬、南相馬の2市と新地町が4月以降も国保の医療費免除を継続する。岩手県内では、「全市町村が免除措置を継続する見込み」(県健康国保課)という。

このように、宮城県内と岩手、福島両県で対応が分かれていることについて、宮城県は「被災した人口の違い」を挙げる。岩手県内の免除証明書交付数(国保および後期高齢者医療)が、4万人弱であるのに対して、宮城県内の免除証明書交付数は25万人近く(同)にのぼっている。津波被害が特に大きい石巻市では、国保加入者の55%、東松島市では約7割が免除証明書の交付を受けている。津波で仕事を失った住民は所得が激減していることから国保財政も以前にも増して厳しくなっており、「市の予算で免除を続けることは難しい」(石巻市保険年金課)。

安倍首相にも要望書

こうしたことから、宮城県知事および宮城県市長会、同町村会は2月21日付けで免除継続に必要な財源の全額の負担を国に求める要望書を厚生労働大臣宛てに提出している。気仙沼市も2月9日に安倍晋三首相が来訪した際に「東日本大震災からの復興に関する要望書」を提出。その中で、医療費免除に必要な財源について、「国による全額財政支援」を要請している。しかし、国は「8割の支援にとどめる方針」を変えておらず、2割の財源確保が宙に浮いたままの状態だ。

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