国連が定めた「難民救済策」は機能していない 新たな支援システムと日本の関与が必要だ

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難民問題は欧州の保守政治家のプロパガンダにも利用されている。彼らは難民・移民が流入することで犯罪や失業率が増加すると指摘するほか、難民らのなかにテロリストが紛れ込む「可能性」に言及し、市民の不安を煽る。

保守政権・右翼政党が頻繁に使う論法は、「難民」と「移民」を同じカテゴリーでくくったうえで、難民の存在が治安の悪化やテロの発生などにつながりうるという「可能性」に結び付けて「だから難民を受け入れるのは我々にとって危険なんだ」というものである。しかし、彼らがそうした議論を支えるための説得力あるデータや証拠を呈示することはまずない。

難民排斥の訴えは、英国のEU離脱の一因

だが残念ながら、「難民は受け入れ国の経済・安全保障上の脅威となるから、国民を守るために監視を強めて自国の領土にはいれないようにしよう」と訴える勢力が世界各地で支持を集めている。

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EU離脱の是非を問う英国民投票(6月24日)に先立ち、英国独立党(UKIP)は難民や移民の排斥を訴えるポスターを作成した。記者団を相手にポスターを指し示すファラージ前党首(写真:ロイター/アフロ)

つい先日実施された英国のEU離脱の是非を問う国民投票が、まさかの離脱派勝利に終わった背景には、間違いなくこうした議論が絡んでいる。

国民投票直前に"BREAKING POINT(限界点)" というタイトルで英国独立党(UKIP:The United Kingdom Independence Party )が作成した反難民・反移民受入れのポスターをご存知だろうか。この写真は、難民・移民の人々がクロアチアからスロベニアの国境を越えたところを撮影したものであり、英国内で撮られたものではない。

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