大京、穴吹工務店“獲り"の狙い

マンション管理戸数で日本一へ返り咲き

ただ、今回の買収における大京の最大の狙いは、マンション分譲とは別のところにありそうだ。マンション管理戸数の拡大である。

大京は約44万戸、穴吹工務店は約6.8万戸のマンションを管理している。両社分を足すと50.8万戸となり、東急コミュニティー(約45万戸)を抜く。東急コミュニティーは今年2月、ユナイテッドコミュニティーズ(約15万戸)を360億円で買収し、大京を抜いて管理戸数で国内最大手に躍り出たが、大京は再び王座に返り咲く。

マンション管理は安定的なストックビジネス

マンション分譲事業は用地取得の状況などによって収益が年ごとに大きく変動する可能性があるが、管理ビジネスは一度受託すれば基本的に戸数の積み上げが安定した収益に直結する。日本の国内人口が減少をたどる中、分譲マンション市場の成長余地は乏しいと見られ、積み上げ型のストックビジネスであるマンション管理の重要性は、今後ますます高まっていくのは自然な流れだ。

大京や東急コミュニティーに先駆けては、国内3番手の日本ハウズイング(約36万戸)は12年5月に同業の合人社HD(約16万戸)と業務提携するなど、業界内での合従連衡は激しくなってきている。安定収益源の拡大を狙った業界再編の流れは今後も続きそうだ。

穴吹工務店は1976年に初めて自社分譲マンションを手掛けてから、これまでに約7万7000戸を開発してきた。しかし、07年のサブプライム・ショック以降は不動産市況悪化の影響を受け、09年11月に会社更生手続きの開始を申し立てた。その後、10年にファンドと大京の出資による更生計画が認可された後は持ち直し、12年9月末には更生計画の弁済予定額の9割近くを弁済した。

マンション分譲の量的拡大からは身を引き、ストック型へと舵を切って経営改革を進めてきた大京。穴吹工務店を傘下に収めたことは、ますますその志向を強めたことを意味している。

(撮影:鈴木 紳平)

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