「高額請求」で大炎上、PCデポは氷山の一角だ

似たような事例は掃いて捨てるほどある

もっとも、問題の根っこはPCデポだけにあるのではない。

情報系機器販売のビジネスは、直接的な物販からサポート、修理、通信などのサービスに軸足を置くようになってきている。大手量販店が自社ブランドの格安SIMに取り組む理由も、ビジネス形態の変化を示している一事例だ。古くは低価格ノートパソコン「ネットブック」が流行した頃、通信サービス契約とセットにすることで、見かけ上の価格を安くする手法が多くあった。

携帯電話端末の販売においても、似たような事例は掃いて捨てるほどある。iPadが登場して認知を得てからは、タブレット+通信サービスや通信機能付きフォトフレーム+通信サービスを他の商品と組み合わせて売るといったやり方はこれまでも散見されてきた。

さらにスマートフォン時代に入ってアプリ内課金や月額契約料が追加で必要なサービスがアプリインストールだけで可能になると、オプションサービスを強要するだけでなく、特定のアプリインストールを条件に端末割引きを行うなどの方法で、“チャリンチャリン”とお金が落ちてくる仕組みを多数組み込んでおき、その分、端末料金を割り引くといった販売方法が採られてきたことは、ご存じの読者も多いだろう。

問題の根っこにあるのは、サービスという目に見えにくい商品にさまざまな要素を混ぜ込んで誤認を誘い、契約期間の長さでコスト回収を行う手法が、業界の中で広く根付いて、売り上げを上げる方法として成熟してきていることにある。

さまざまな商品が「サービス中心」に変化する

個人向けパソコンの売り上げが落ちていく中、将来はスマートフォンやその周辺市場も縮小していくことが予想される。安易に売り上げ目標を設定し、売り上げを確実に得る方法を本部が示唆し、徐々に締め付けをキツくしていく。現場が疲弊する中で少しずつモラルハザード(倫理の欠如)が起きていく……という流れは容易に想像できる。

これまでも「携帯電話とスマートフォンの販売手法」という局所的な議論では、同様の問題提起が行われてきたが、今後のIoT時代、もっともっと多様な機器がインターネットに接続されていく。その中で、即物的なハードウエア販売からサービス中心のビジネスモデルへの変化は、いろいろな商品ジャンルで起きていくだろう。

インターネットに接続される機器ジャンルの増加に伴い、同様の事例が繰り返されていくのか。流通側の自浄作用が期待できないのであれば、何らかの規制が必要になる。

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