「高額請求」で大炎上、PCデポは氷山の一角だ 似たような事例は掃いて捨てるほどある

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どう舵取りをするにしても厳しい状況だが、一時的な信用の失墜よりも、同様の営業手法によって、どこまで各店舗の売り上げを確保してきたか……が今後の焦点になるだろう。高い目標設定を本部が置くことによって、現場が暴走した結果なのか、それとも本部側が暴走を誘引する指導を行っていたのか。

いずれにしろ、PCデポ全体の収益に対する影響の度合いは見えていない。

また、ここまでの大きな話題になった理由として、パソコンや通信機器などの機器販売について、業界全体に対する漠然とした不満、不信感が消費者の中に蓄積されていたことがあるように思う。商品やサービスの料金体系について周知せず、あるいは誤認を誘導したうえで売りつける手法は、本事例以前からさまざまな方法で編み出され、問題となる販売手法が繰り返されてきた。泣き寝入りの事例も含めて、過去の系を含めた再検証と、業界を挙げての自浄努力が必要だ。

なぜ解約料が高額となったのか

さて、このPCデポの事例。表面だけの情報を聞いて「そんな高額な解約料になぜなるのかわからない」といぶかしむ読者もいるだろう。そのとおり、普通に製品を購入、サービス契約をしているだけならば、20万円もの解約料が発生することはない。

すでにこの問題に注目していた読者はご存じだろうが、あらためて詳細を記しておきたい。

今回表面化した事例で契約していたプランは「ファミリーワイド」という、初期設定や修理、ウイルス対策、モバイルルーターなどをセットにしたパッケージ商品で、家族所有も含め10個までのデバイス(機器)を初期設定し、パソコンの買い替え時にデータ移行サービスやワイヤレスインターネットサービス、10機器までのウィルス保護サービス、インターネット詐欺対策、トラブル復旧サービス、電話サポートなどを受けることができる。

独居老人に不相応なプランであることは明らかだ。しかも、このサポートプランさえもが氷山の一角でしかない。ファミリーワイドは一定条件で月々5500円というサービスだ。これ以外にも、長期契約を前提としたiPad Air本体のレンタルがバンドルされるなど、さまざまなオプションサービスの契約が上乗せされているうえ、契約した本人はそのことを認識していないという状況だったようだ。

iPad Airなどを受け取っているなら、その料金が含まれているのだから致し方ない……と思う方もいるだろう。しかし、そもそもこの老人はパソコンやiPadなどの情報端末を購入するためにPCデポを訪問したのではない。壊れたパソコンの修理を求めて店舗を訪問したに過ぎなかったのだ。月の支払いが1万5000円になるまで、修理に訪れた老人がオプションサービスを積み上げ、不要な端末まで持ち帰るはずがない。

こうした経緯や状況、契約内容に関しては、PCデポ側も事実であると認めている。店舗が売り上げ目標を達成するために、あの手この手でオプションを追加したと疑われても仕方がないだろう。だからこそ、PCデポもすべての事実関係を速やかに認めたのだろう。

しかし、多くの読者が想像するように、同様の販売事例はもっと多くあると考えるべきだ。身の回りに同様の詐欺的な事例がないか、チェックが必要だ。

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