原発事故後2年、過去最大1700人が集団提訴へ 国よ、東京電力よ、「もう限界だ」

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福島県内では、2つの大きな裁判が起こされる予定だ。

福島地裁(福島市)では、福島県および宮城、山形、栃木、茨城など隣接する県に2011年3月11日当時に住んでいた約800人が原告となり、約28億円の損害賠償を請求する。原告には農家や建設や小売業などの事業主、会社員などさまざまな職種が含まれている。

いわき市民822人も決起、約13億円の賠償請求へ

福島地裁いわき支部(いわき市)には、いわき市の住民336世帯822人が約13億4500万円の賠償を求める。避難指示区域の外に住むいわき市民については、すでに12年8月末で賠償が打ち切られている。だが、「現在も放射性物質の危険性と隣り合わせの生活を強いられ、精神的被害を被っている」(笹山尚人弁護士)ことを理由に、廃炉が完了するまで慰謝料を求めていく。また、金銭面での賠償にとどまらず、子どもの健康を守るための施策の実現など、踏み込んだ政策の実現をめざす。

原発事故の被害救済策としては、「原子力損害賠償紛争解決センター」による和解の仲裁手続きもある。だが、「センターは対応が遅すぎる」(中川素充弁護士)ことを理由に、あえて裁判に踏み切る。

岡田 広行 東洋経済 解説部コラムニスト

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おかだ ひろゆき / Hiroyuki Okada

1966年10月生まれ。早稲田大学政治経済学部政治学科卒。1990年、東洋経済新報社入社。産業部、『会社四季報』編集部、『週刊東洋経済』編集部、企業情報部などを経て、現在、解説部コラムニスト。電力・ガス業界を担当し、エネルギー・環境問題について執筆するほか、2011年3月の東日本大震災発生以来、被災地の取材も続けている。著書に『被災弱者』(岩波新書)

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