オリエンタルランド、「脱ディズニー」へ一手 ブライトンホテル買収で西日本にも足場

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日本有数の観光地「京都」でTDRの経験生かす

TDRやディズニーとの関係が大きく変わりそうにないにもかかわらず、OLCがブライトンを買収する意図はどこにあるのか。「最大の目的は、浦安と京都の“ラグジュアリーホテル”を取得すること」とOLC側は説明する。

浦安ブライトンホテルは現にTDRのパートナーホテルであり、「当社が推し進めている、(地方などからの)TDR来園者に対する宿泊滞在型利用の促進につながる」(OLC)。また、京都ブライトンホテルについては、「日本有数の観光地である、京都のラグジュアリーホテルで、TDRでの経験や実績を生かせることは大きい」(同)という。

なお、ブライトンが運営する、残りの2ホテル(ホテルブライトンシティ京都山科と同・大阪北浜)は、ラグジュアリータイプではなく、宿泊特化型のビジネスホテル。OLC側では、これら2ホテルについては、「買収の主目的ではない」と言い切るものの、「安定的な収益を上げられると考えている」(同)とし、引き続き運営を続けていく意向だ。

一極集中打破へ、脱「ディズニー」「舞浜」探る

これまで、巨大な人口集積地・東京に隣接する浦安市「舞浜」の好立地で、「ディズニー」という世界最強のコンテンツ・キャラクターを活用し、収益成長を続けてきたOLC。

とはいえ、最近の例で見ても、2011年3月11日の東日本大震災直後、TDRの施設への被害は軽微だったものの、周辺の道路インフラなどが打撃を受け、1カ月強の休業を余儀なくされたこともある。

11年度の前半(11年4~9月)には、震災後の外出レジャー自粛の動きもあり、TDR再開後しばらくは来場者数が伸び悩んだ。「舞浜」「ディズニー」の強さゆえに、OLCには事業の一極集中のリスクがつねにつきまとってきた。

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