「SMAP解散!」の大きな失望とわずかな希望 本当は誰が悪い? なぜ回避できなかった?

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最後に、私たちは大みそかまでの約4か月間、そして解散後、どのようにSMAPと向き合えばいいのでしょうか。

一度盛り上がった『世界で一つだけの花』の購買運動に参加するのもいいでしょうが、彼らの心情を察すると、それは「存続を願うため」ではなく、「感謝の気持ちを伝えるため」に行ったほうがいいかもしれません。

また、彼らの看板番組『SMAP×SMAP』(フジテレビ系)の終了は確実。今年春に番組名を変えた『中居正広の金曜日のスマイルたちへ』(TBS系)は存続しそうですが、『SmaSTATION!!』(テレビ朝日系)、『「ぷっ」すま』(テレビ朝日系)、『おじゃMAP!!』(フジテレビ系)らは終了濃厚と言われるだけに、存分に楽しんでおきたいところです。

彼らの問題は彼らが解決できる

何よりみなさんに考えてほしいのは、解散後のスタンス。ソロ活動をはじめた彼らそれぞれの芸能活動と人生を応援しながら、「いつかまた会える……」とひそかに待ち続けてみてほしいのです。

そもそも25年間も続けてこられたことが奇跡であり、今回の解散が彼ら同士の問題なら、それは同時に「彼ら同士で解決できる」ということ。人間が周囲の人々と影響を受け合って生き、徐々に年老いていく以上、ずっと変わらずに居続けるのは難しく、むしろ変わるほうが自然と言えます。この先5人が「年齢を重ね、家族を作って初めて見えたものがある」「あのときの気持ちがお互いに分かり合える」こともあるでしょう。それは奇跡ではなく、ごく自然なことなのです。

前述した通り、SMAPは元マネージャーがいてこそ成立していたグループであり、本当の意味で1人1人が自立できるチャンスなのかもしれません。ビジネスやスポーツの世界には、「破壊なくして創造なし」という言葉がありますが、SMAPもハッキリと決断できたことが転機となり、未来へつながっている気がしてならないのです。

かつて「関係修復は不可能」と言われるほど不仲で解散したアーティストが再結成を果たした例は多く、5人が芸能活動を続ける限り、ジャニーズ事務所に所属する限り、再結成の可能性は残っています。私たちにとってのわずかな希望は、その可能性を10年単位で気長に待つこと。SMAPはそれをするだけの価値があるグループに違いありません。

木村 隆志 コラムニスト、人間関係コンサルタント、テレビ解説者

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きむら たかし / Takashi Kimura

テレビ、ドラマ、タレントを専門テーマに、メディア出演やコラム執筆を重ねるほか、取材歴2000人超のタレント専門インタビュアーとしても活動。さらに、独自のコミュニケーション理論をベースにした人間関係コンサルタントとして、1万人超の対人相談に乗っている。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』(TAC出版)など。

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