一方、JR東海は、その国家プロジェクトともいうべき中央新幹線の建設主体と営業主体になぜ名乗りを挙げ、指名を受けたのだろうか。
これについてはJR東海のHPに掲げられた中央新幹線の建設の目的や趣旨が参考になる。
計画への介入は回避したい?
JR東海からすれば、中央新幹線は自己の経営基盤の確立を図るためのプロジェクトでもある。東海道新幹線がJR東海の収益の柱になっていることを考えると、そのバイパスである中央新幹線の事業の成否は自身の存亡と将来の発展にかかわる極めて重大なものである。不要な介入を受けず、自身の中長期的な計画の下、資金を含めて慎重かつ入念に計画を立てるべき存在といえる。
そのJR東海にとって、全幹法に基づく第三者の行為制限(第10条、11条、12条)など中央新幹線建設への環境整備の点で国や地方公共団体その他の支援を受けるのであればともかく、計画そのものに他者が積極的に介入をするということは回避したいところであろう。たとえば、東京と大阪の速達性を図ることに優先順位を置いているのに、計画線を北に動かして京都へも寄れ、ということがあれば受け入れがたいところであろう。
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