駅のキャリーバッグ衝突事故は被害者も悪い

被害者の過失割合は「30~35%」の可能性

便利なキャリーバッグだが、ぶつかれば人をけがさせることもある(写真:zon / PIXTA)

私はこの10年以上業務でキャリーバッグを愛用している。

弁護士の仕事はどうしても重くて嵩張る紙の資料が多く、手提げかばんだと重くて耐えられないときがある。そんなこともあって、キャリーバッグがまだ普及する以前から使うようになった。

10年前に私が使い始めたころはまだキャリーバッグ利用者は少数派であったが、今やキャリーバッグが花盛りである。

便利だが駅や車内では嫌われ者?

この連載の記事一覧はこちら

しかし、このキャリーバッグは単体でもそれなりの存在感を持つため、とかく嫌われる。特に混雑している車内では1人分のスペースを取ってしまうこともあるほか、大人の目線のはるか下にあるので、その動きを予想しづらいのも厄介だ。

素材が硬質素材でできているものもあって、ぶつかれば衝撃がある。車輪が付いているので轢かれることもある。最近では駅の構内にもキャリーバッグを使用するときの注意を促す啓発ポスターが目につくようになった。

360度のあらゆる角度から大勢の人が行き交う駅構内では、いきおいキャリーバッグもあらゆる角度から人に曳かれてやってくる。キャリーバッグを身体にくっつけて迷惑にならないように歩いている人もいれば、特に後ろを気にすることもなく平然と後ろ手を伸ばしきってキャリーバッグを曳いている人もいる。ときどきキャリーバッグにぶつかっている人や、キャリーバッグに行く手を阻まれて戸惑っている人もいる。

そんな光景が現実の事故となり、裁判で争われたことがある。2016年4月24日に東京地裁で損害賠償を命じる判決が出された事故である(判例時報2267号63頁)。事案は次のようなものだ――。

次ページキャリーバッグに接触、転倒!
鉄道最前線の人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • 就職四季報プラスワン
  • ソロモンの時代―結婚しない人々の実像―
  • 今見るべきネット配信番組
  • コロナ後を生き抜く
トレンドライブラリーAD
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
地銀 最終局面<br>首相が追い込む崖っぷち

遅々として進まなかった地銀再編。しかし菅義偉首相は明確に踏み込みました。全国の地銀はどう動くのか、現状を徹底取材。今後起こりうる地銀再編を大胆予測。さらにビジネスモデルや行員の働き方にも注目し、地銀が生き残る道について探りました。

東洋経済education×ICT