しかし、それと、日銀を馬鹿にすることとは異なる。あたかも、日銀という組織と、そこに属する人々が何もわかっておらず、政治家という経済にも金融にも素人な人々が、「我々の意見を理解させなければいけない」、というのは世界でも歴史上も、例を見ない。
政治家も、メディアも一般世論も、そして有識者と言われる人々の一部ですら、自国の中央銀行を馬鹿にする。これはあり得ない事態で、日本経済を不幸にする。
すなわち、健全な素人以下であり、専門家は必要ない、学者も日銀内部の専門家も必要がない、その英知を動員する必要はない、むしろ害悪だ、という議論なのだ。
学問も専門家も排除され、健全な素人が(健全であるかどうかは不明であるが)運営する日本経済は、学問と専門家を総動員した他の経済に勝てるわけがないだろう。
したがって、21世紀の日本経済、日本社会は前途多難である。
(撮影:梅谷 秀司)
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