北朝鮮製タブレットPCの全貌が判明 OSはアンドロイド、でもネットにつながらない!?

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実は、北朝鮮では、この3月から、同国在住の外国人にはネット接続が可能になる方針だ。しかし、一般住民には接続は許可されていない。もちろんWi-Fiもなく、北朝鮮国内では、タブレットPCを使って接続することは不可能だ。実際に、「三池淵」には、設定画面から入る「LANとの接続」のメニューがない。だが、「アリラン」「アチム」にはLAN設定画面があり、DHCPか自分での設定が可能となっている。ある所有者は、「中国製のタブレットPCに非常によく似ており、おそらく中国企業がOEMで北朝鮮に供給しているのだろう」と言う。

目的は「教育用」、ネットにつながる日は来るか?

とはいえ、日本をはじめ世界で使われるタブレットPCは、ネットにつながらないと意味がない。ネットに自由に接続できない北朝鮮では、何のためにタブレットPCを製造したのか。所有者の誰もが、「教育用に使うためのようだ」と口をそろえる。

2012年9月25日付の在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)の機関紙『朝鮮新報』でこれらタブレットPCが紹介されているが、この中でも「学生たちが小中学校のすべての教科書をインストールされたタブレットPCを持ち歩き、いつでも勉強できることが利点」と、開発関係者のコメントが述べられている。また、3機種の使用説明書には「学生用タブレットPC」と明記されている機種もある。インストールされているコンテンツは、既報のとおり、教科書や副読本のようなものが多く、まさに「学習用」なのだろう。

福田 恵介 東洋経済 解説部コラムニスト

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ふくだ けいすけ / Keisuke Fukuda

1968年長崎県生まれ。神戸市外国語大学外国語学部ロシア学科卒。毎日新聞記者を経て、1992年東洋経済新報社入社。1999年から1年間、韓国・延世大学留学。著書に『図解 金正日と北朝鮮問題』(東洋経済新報社)、訳書に『朝鮮半島のいちばん長い日』『サムスン電子』『サムスンCEO』『李健煕(イ・ゴンヒ)―サムスンの孤独な帝王』『アン・チョルス 経営の原則』(すべて、東洋経済新報社)など。

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