本にも書きましたが、こういうエピソードは、山ほどあります。なかには失敗談もありますけれど。
いまは子どもの貧困が問題になるなど、どの家庭もみんな簡単におカネを払える時代ではなくなってきました。教職員には、そうした保護者の負担を取り除いていく取り組みも求められていると私は考えています。
PTAの「学校支援金」はどうしても必要か
――PTAから「学校協力費」などの名目でおカネを受けとり、備品購入などにあてている学校も多いですね。財政力のある自治体では比較的少ないようですが、PTAによっては年間100万円近い予算を出しているところもあります。しかも、そのことがPTAの一般会員には知らされていなかったりしますが、これはどうなんでしょうか。「私費」に加えて、さらに保護者が出費しているということになると思うのですが……。
PTA予算はすでにおカネを集めてあるので、「ください」と言えばそれで済みますから、学校からすると簡単なんでしょうね(苦笑)。
でももちろん、PTAから学校へ現金支給などするべきではないでしょう。まずは公費でやりくりし、それでもどうしても足りなければ、教材費など、集金の目的を周知し、私費で集めたほうがいいでしょう。
たとえば、以前私がいた学校では、マラソン大会の施設使用料がPTA予算から出されていました。その施設は現金でしか使用料を支払えないという理由からそうしていたらしいのですが、これも教育委員会と相談をし公費で予算化してもらうことができました。
――PTAや保護者は、公費と私費の区分などよくわかりませんから、学校から「出して」と頼まれたら、たぶんそのまま出してしまいますね。公費から出せるという可能性を、思いつかないのでは。
そもそも公費がオープンにされていないことも問題なんですよね。公費が見えなければ、保護者はなんでも私費でやるしかないと思ってしまいますから。
でも、一部の学校ではそれらの情報を公開しています。たとえば横浜市の学校は公費の公開が義務付けられているので、どの学校のWebサイトを見ても、公費がいくらという情報が載っています。
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