東京マラソン、2時間53分で走ってみた 記者が挑戦したビッグイベントの実像と動いたおカネ

ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

大会運営に当たっても、巨額のおカネが動いている。東京マラソンの出走者は、フルマラソンの場合で参加料を1万円支払う(海外からの場合は1万2000円)。これだけでざっと3億6000万円程度の計算だが、予算上の運営費は約19億円にも上る。東京都の負担金は1億4000万円程度なので、ほとんどが協賛金で賄われる。今回は、チャリティとして約2億2000万円ほどの寄付金も集めた。

大塚製薬はスポーツドリンクを44万杯も提供

同じく東京マラソン財団の事前発表によれば、スポンサーは多数の物資も提供している。例を挙げれば、大塚製薬は1杯150ml換算でスポーツドリンク「アミノバリュー」を44万7000杯分、栄養食品の「ソイジョイ」を約5万本。ドールからはバナナを約9万6000本、カゴメからはトマトを約3万6000個、などといった具合である。

記者はこれまで参加者が1万人級のフルマラソンに過去3回出場した経験があるが、それほどの大規模な大会と比べても、東京マラソンはケタ違いである。

東京ビッグサイト内に設けられたランナー受付の専用会場。数百人が列を成していた

通算7回の実績を重ね、運営もこなれた印象だった。東京マラソンに出場するには、ゼッケンやタイム計測の(靴に装着する)チップを受け取るための受け付けを、前日までに済ませなければならない。事前の3日間には、ゴール地点の東京ビッグサイトに特設会場が設けられる。記者が並んだタイミングでは、数百人もが行列をつくっていたが、比較的スムーズにさばかれていった。

ここにも、おカネが動くビジネスチャンスが転がっていたようだ。記者が受付を済ませ、参加記念のTシャツを受け取ろうとすると、「東京マラソンエキスポ」なるイベント会場に、自動的に誘導される仕組みとなっていた。そこにはBMWやスターツなどといったスポンサーをはじめとする出展企業がずらり。アシックス、ミズノ、ナイキ、アディダス、プーマ、ニューバランス、ゼビオ、デサント、ゴールドウインといったスポーツ系を中心とした企業が、主にランニング関連用品などを並べ、サンプル提供やアンケート回収などでランナーにアピールしていた。

一世一代の大イベントに臨むランナーが、つい財布のヒモが緩んでしまうことを狙っている側面もあったかもしれない。会場は一方通行で、呼び込みの人たちをかわすのに苦労したほどだ。

次ページ1万円の参加料は高い?
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事