誰かからメールをもらったら、「自分は卓球の世界選手権に出場中」だと暗示をかけて、福原愛選手のように「サーッ!」と叫んで返信するのが重要である。
誰かに会ったあとの「お会いできて光栄です」メールも、相手が送ってくる前にこちらから先制攻撃で送るのが基本だ。
人に会ったあとにお礼メールを先にもらってしまったら、心の中で白旗を上げて敗北宣言をし、次こそは「先制お礼メール」を発射することにしよう。
「簡潔な文章」を書けるだけで、かなり出世する
もうひとつ、メールに関して、私も駆け出しのころに上司によく怒られたのが「同じ内容を半分の文字数で書くこと」である。
仕事能力の高い人たちは「不要な重複表現」を排除することに全神経を注ぐ。仕事ができる人に限って、短く明快なメールを一瞬で返してくる。時間をかけて無駄に長いメールを返してくる二流の人とは好対照だ。
これはメールに限った話ではないが、「簡潔な文章」を書けるだけで、かなり出世する。思い返せば、ハーバードやオックスフォードで文学を専攻していたようなアメリカ人、イギリス人上司に英語で書いたドラフトを送ると、いつもものの見事に半分か3分の1くらいの分量になって返ってきたものだ。
米国の某著名MBA入試の推薦状を友人のために書いたときも、「この人は簡潔な文書を作成してコミュニケーションできますか?」という項目があったのを思い出す。こう考えれば外資系多国籍企業の大ボスには、意外と経済学部でなく文学部や哲学部出身者が多いのも偶然ではない。
上司や同僚も取引先も、みなさん忙しい中、長いメールなどじっくり読んでいる暇などない。また、そもそもメールは短くないと焦点がぼやけてしまい、それだけ肝心なポイントが忘れられやすくなる。
骨子とポイントが簡潔にまとまったメールは、「読まれる率」も「覚えられる率」も両方、高くなるのだ。
メール1本にも、その人の「論理的思考力」「論理的説明能力」「語彙力」そして無駄と重複を省き、かといって必要なポイントははずさない「効果的なコミュニケーション能力」のすべてが、否が応にもあらわれてしまうことを忘れてはいけない。
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