子供の頃肥満だった人が気をつけたいリスク 成人後、3大疾病を患う可能性も
オランダのフローニンゲン大学医療センターの研究チームは「親がわが子の過体重もしくは肥満に早期に気がつくことは何より重要だ。そうすれば幼いうちから介入を始めることができる」と指摘する。研究チームが2203人の5歳児の親を対象に調べたところ、「全体の85%で親はわが子の過体重を軽く見ていた」という。
わが子の肥満を認識している親なら、成長する中で身長と体重のバランスが取れるように努力するはずだと考えがちだが、実際はその逆であることを示す研究もある。今年4月の小児医学誌上で発表された英リバプール大学とフロリダ州立大学医学大学院の共同研究がそれで、オーストラリアの子どもたちを長期間にわたって追跡した結果、太った子どもはさらに太る傾向が見られたという。
「太りすぎ」というレッテルを貼られ
肥満児のレッテルを貼られること自体が悪影響をもたらし、そのせいで悪い生活習慣から抜け出すのがより困難になる可能性を示唆する研究もある。2014年に10〜19歳の少女を対象にして行われた研究では「実際の体重にかかわらず、家族や仲間から『太りすぎ』というレッテルを貼られたことがあると答えた子どもは10年近く経つと本当に肥満体になる傾向にあった」という。
コロラド大学医学大学院のダニエルズ医師はあるインタビューで「親には家庭内の環境を変えるよう勧めたい」と述べた。「上から命令を押しつける形ではなく、高カロリーの食べ物を制限し、砂糖で甘味をつけた飲み物を家には置かず、子どもたちに適切な量の果物や野菜を食べさせ、高カロリーのスナック菓子をあまり食べさせないようにすべきだ。また、体を動かす機会を逃さず、テレビや電子機器の使用時間について厳格なルールを定める必要がある」
アメリカ小児科学会の「5210」プログラムもお勧めだ。これは1日に5種類の果物と野菜を食べ、娯楽目的でテレビを見る時間は2時間以下にし、少なくとも1時間は体を動かす遊びをして、砂糖で甘味をつけた飲み物は飲まず、水を飲もうというものだ。
(執筆:Jane E. Brody記者、翻訳:村井裕美)
(c) 2016 New York Times News Service
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