瀬戸内海を挟む中国・四国地方。政令指定都市は広島市、岡山市の2市に限られ、3大都市圏に比べると経済規模こそ小さいが、風光明媚な街が多い地域だ。
東洋経済オンラインは上場企業約3600社を対象に各社の40歳社員の年収を推計。全国7地域(北海道・東北、東京除く関東、東京、中部、近畿、中国四国、九州沖縄)に分けてまとめた。
これまで「東京都トップ500社」「東京都ワースト500社」「東京都除く関東334社」「近畿591社」「中部434社」の40歳推計年収ランキングをお届けしてきたが、今回は第6弾として中国・四国地方(岡山県、広島県、山口県、鳥取県、島根県、香川県、徳島県、愛媛県、高知県)に本社を置く112社のランキングを公表する。
『会社四季報』の本社欄に掲載した本社所在地が中国・四国圏となっている会社のうち、単体の従業員数が20人に満たない場合や平均賃金の発表がない企業は除いた。有価証券報告書(2014年6月期~2015年6月期)の公開データと、厚生労働省が調査・公表している「平成25年度賃金構造基本統計調査」を基に試算した。
40歳は人生でも社会人でも中間点。上場企業が発表する平均年収は年齢がバラバラのため、比較条件をそろえてみることで、あくまで理論的に割り出した推計値ながら一定の目安となるはずだ。
山口FGなど地銀が上位に目立つ
グループ企業については、全体で連結ベースの年収を算出するのがベストだが、基データとして使用している有価証券報告書のデータが単体会社のものであるため、単体の年収数字となっている。そのため純粋持ち株会社の数字を使用していることをあらかじめお断りしておきたい。純粋持ち株会社は本社の中枢機能を担う社員しかいないケースが多く、年収が製造現場などの実態より上振れる傾向にある。
1位はベネッセホールディングスの892万円。「進研ゼミ」など通信教育の大手で高齢者ホーム、出版なども含めて全国に名をとどろかせる企業だ。岡山が発祥ながら主要な拠点は東京にもあり、どちらかといえば全国企業という枠組みで考えたほうがいいのかもしれない。
2位は山口フィナンシャルグループ(837万円)。山口銀行がもみじ銀行を実質救済して経営統合した地銀グループで北九州銀行も運営している。同社に限らず、中国・四国地方の上位には6位伊予銀行(729万円)、8位阿波銀行(705万円)、9位中国銀行(700万円)など地銀が上位に目立つ。地方で働くなら地銀は相対的な給与水準の高い職場だということを示唆している。
このほか3位には「ユニクロ」を運営するファーストリテイリング(774万円)、4位にはマンションデベロッパーの穴吹興産などが入った。調査対象企業の単純平均は582万円だった。