治安も最悪、リオのテロ対策に残る「懸念」

オリンピック直前に非常事態宣言も

また18日には、テメル暫定大統領は「オリンピックの治安対策は強化されており、選手や観光客の安全は確保されている」とテロの不安を打ち消すメッセージを国内外に流した。

以降、観光客が多く集まるリオのボタフォゴ海岸や地下鉄だけでなく、サッカー試合会場のひとつである、サンパウロ市の地下鉄などでも警備訓練が慌ただしく行われるようになっている。

リオでは、オリンピック開催中はロンドン五輪の倍に相当する8万5000人もの軍や警察、消防関係者などが警備につくことになっている。米国やイスラエルなどは自国の警備隊を連れ添ってくると伝えられているほか、ロイター通信によると、100カ国以上の国からセキュリティの専門家などを派遣するという申し出があったという。

一方、現在派遣されている陸軍の宿舎は、マットレスも備え付けられていない劣悪の環境で文句が続出。慌てて手当てが倍増されたというブラジルらしいニュースが伝えられるなど、不安はつきない。

25年住んだ中で最悪の治安状況

テロの脅威もさることながら、ブラジル当局がさらに頭を痛めているのが治安だ。私はブラジルに25年住んでいるが、現在のブラジルは今までで最悪な治安である。もとから決して良くなかったが、麻薬と銃の蔓延で未成年の犯罪(18歳未満は罪に問われない)が激増し、治安の悪化に拍車がかかった。

その大きな原因は世界経済減速の影響を受けた経済の落ち込みと、政治家の汚職・贈賄である。

2014年のサッカーワールドカップ(W杯)前あたりから綻びを見せていたブラジル経済は、石油公社ペトロブラスや政治家への巨額な汚職贈賄の発覚などの影響で危機に陥った。

通貨のレアルは下落し、ドルの3分の1以下の価値になり、食品を含めあらゆるものが高騰して国民の生活は困窮している。 特にペトロブラスのお膝元であり、財政的にもペトロブラスに依存していたリオデジャネイロ州はこの影響をもろに受けた。

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