治安も最悪、リオのテロ対策に残る「懸念」

オリンピック直前に非常事態宣言も

現在、リオデジャネイロ州では15分に4人が強盗被害にあい、1時間に2回の割合で発砲事件が発生している。オリンピック開催中、警備が厳しいリオ市のコパカバーナなどの有名ホテル街ではそうした事件は少ないとは思うが、銃撃戦に出くわしたら身を伏せるのが良い。ちなみに、レンタカー会社によると、開催中のいちばん人気は燃費が悪いにもかかわらず、防弾車が圧倒的だそうだ。

リオでは麻薬組織が主にコミュニダージ(貧民街)を根城にして活動している。W杯時には警備の強化によって麻薬組織の力が弱まったが、経済危機のあおりで警備が弱体化すると再び復活し始めた。追い払われていた悪名高い麻薬組織「コマンド・ベルメーリョ」も再び戻ってきているといわれる。現在、毎週のように、どこかのコミュニダージで麻薬組織と警官の銃撃戦が起こり、まるで戦場の様相を呈している。

前述のとおり、リオの警備には陸軍が駆り出されることになっており、物々しい装甲車が街中をパトロールすることになる。開催中は私服警察を増員し、威圧感を出さないようにするらしいが、装甲車が街中をパトロールすること自体が人々に威圧感や緊張感を与えるだろう。

貧民街は警備が行われないので近寄らないのが無難

主な観光地や主要地では万全な警備がしかれ、普段以上に安全だと思われるが、警備の薄い、周辺の安いポウザーダ(民宿)やレンタルハウスでは個人単位の強盗、泥棒などの軽犯罪が多発する可能性が大きい。また主要な場所でも「ボア・ノイチ・シンデレラ(バーなどで飲み物に薬を混入し、相手が昏倒している間に金銭を奪う泥棒。特に女性の泥棒が多い)」など詐欺まがいの犯罪が増える可能性がある。知らないブラジル人が近寄ってきたら、どんな美人やイケメンでも気を付ける必要がある。日本人は汚い恰好をしていたら大丈夫と思っている人が多いようだが、外国人なら汚かろうが、きれいだろうが犯罪者にはさほど関係ない。

警察や陸軍は街の警備に集中して、コミュニダージでは行わないと宣言している。それだけに興味や安易な気持ちで近づくのは絶対に止めたほうが良い。コミュニダージの多くは麻薬組織の支配下にあり、見知らぬ人間が入ることを極端に嫌う。付近ではライバルの麻薬組織や、警官と組織の銃撃戦は日常茶飯事で、関係のない人間が流れ弾に当たって命を落とすことはしばしばある。

もちろん、街中でも注意は必要だ。W杯時はソーシャルサイトで「せっかくブラジルに行くのだから、夜も楽しまなきゃ」といった書き込みが見られたが、この2年でブラジルの治安は劇的に悪化。以前のようにナイトライフを楽しむ一般庶民は一部の若者などを除いてほとんどいない。客が減り、治安が悪化したために、24時間営業や深夜遅くまで営業する店も激減した。サンパウロやリオなどの大都市では、バス停でバス待ちをしているときや、地下鉄やバスなど公共交通機関内でも強盗事件が増えている。

次ページレストランや海岸で増えている犯罪とは?
政治・経済の人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • Amazon週間ビジネス・経済書ランキング
  • 湯浅卓「トランプ政権の真実」
  • 埼玉のナゾ
  • 「非会社員」の知られざる稼ぎ方
トレンドライブラリーAD
  • コメント
  • facebook
0/400

コメント投稿に関する規則(ガイドライン)を遵守し、内容に責任をもってご投稿ください。

アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
頭脳争奪<br>中国が仕掛ける大学戦争

国の未来を左右するのは優れた頭脳。大国化した中国は今、その受け皿となる世界トップレベルの大学をつくることに驀進中だ。1つの象徴が深圳(しんせん)の南方科技大学。教育強国となった中国の戦略と、受けて立つ日本の危機感が浮き彫りに。