ポケGO沸騰!「ポケモノミクス」の巨大潜在力 任天堂に加え周辺企業への好影響も大きい
料金については多くのスマホゲームと同じく、アプリの入手と基本的なプレーは無料。ゲームの進行に必要なアイテムは、街中を歩けば無料でもらえるが、おカネを支払えばすぐにも手に入る、“時短型”の課金制が採用された。これは欧米ではすでにありふれた手法だ。
なお、日本で「ガチャ」と呼ばれていたランダム要素の強い課金は採用されず、ギャンブル性は低い。
運営する側にとって“おいしい”のは、プレーヤーからだけではなく、地域からも集金できることだ。
アイテムが手に入る「ポケストップ」やモンスターが対戦する「ジム」の場所を設置するのには費用が必要。店舗や旧跡が選ばれることが多いが、そこには多くのプレーヤーが集まり、物販などビジネスにも結び付く。企業からスポンサー料を徴収し、より集客できる特別な場所の提供も可能だ。日本での導入時には、日本マクドナルドホールディングスと提携、全国3000店舗内でのコラボが始まっている。
ただし、ポケモンGOの人気が任天堂の収益に直結するかは、まだわからない。
ポケモンGOを発案したのは、米グーグルの社内ベンチャーだった米ナイアンティック。同社が2012年に投入した位置情報ゲーム『イングレス(Ingress)』が大元になっている。
歩きスマホなど事故やトラブルも
きっかけは2014年4月、グーグルがマップ上にポケモンを配置する、「グーグルマップ・ポケモンチャレンジ」なるイベントを行ったこと。ナイアンティックと任天堂、そしてポケモン関係事業を担当する任天堂の関連会社ポケモンの3社間で、つながりができた。その後、ナイアンティックがポケモン社からキャラクターのライセンス供与を受けたうえで開発した、という経緯がある。
現状、課金アイテムの売上高はアップルのiPhone向けで、1日当たり推定160万ドル超。任天堂にとってはライセンスビジネスの一環で、自社開発のゲームほど収益性は高くない。ポケモンGOの収入のうち任天堂に回るのは数分の1とされる。
懸念もある。海外のプレーヤーは1990年代から2000年代のポケモンブームを経た30代が多い。任天堂の国内の顧客より年齢は高く、米国では事故などトラブルに巻き込まれる例が頻発。日本においても配信前から、若者や子どもの「歩きスマホ」を誘発する、との心配の声が上がっていた。
それでもこの熱狂が、任天堂の築き上げたポケモンという巨大な資産によって立つことに、変わりはない。今後スマホがより低年齢層に普及する中で、キラーコンテンツになるのは必至だ。初代ポケモン発売から今年で20年。すでに親子2世代に通じるキャラクターとなったポケモンのビッグビジネスはどこまで拡大するだろうか。その可能性は極めて大きいと言えるだろう。
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