武蔵野音大生が人気企業に就職できるワケ みずほ銀行出身者が発掘した学生の魅力

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これに対して音大生は教師と曲の解釈について話し合ったり、進路についてじっくり相談したりします。一般学生と比較して、音大生のコミュニケーション能力は圧倒的に優れています。

また、演奏会のために数カ月前から計画通りに物事を進めていくということに慣れているので、プロジェクト推進力に優れているといえます。また、演奏のために暗譜するので記憶力も優れています。

音大出身者はディーラー向き?

私は国債のディーラーをしていたことがありますが、ディーラーで結果を残す人はみんな記憶力が優れていました。もしかしたら音大出身者はディーリング業務に向いているかもしれません。

――大内さんが入職してから就職状況はどう変化しましたか。

入職以来、音大生には本人が気づいていない素晴らしい能力やスキルがあり、音大卒は就職するための武器になることを言い続けてきました。学生の就職に関する意識は徐々に変化してきたと思います。

例えば、入職1年目の2013年には、メガバンクへの学校推薦を求めてきた学生は2名でしたが、2年目は5名、3年目10名、4年目は25名と増え続けています。

以前は一般企業に入社する学生は、全体の約15%でした。これが今では約30%と倍増になりました。とはいっても、演奏家や音楽教師になる人が減ったのではありません。きちんとした進路が決らずに卒業する学生が減少したのです。

――音大以外で就活に弱そうだが、実は強い大学や学部はありますか

これからは食の時代と言われているので、栄養学部は就活に強いのではないでしょうか。栄養学科だから栄養士、または食品会社だけに就職しやすいというのではなく、幅広くいろいろな業界の企業に就職できると思います。

また、健康科学系や心理学系の学部を採用したいという企業が少なくないようです。世の中が多様化しているので、従来は就職に不向きのように思われていた学部の学生にもチャンスがあります。何学部かということより、いかにきちんと勉強して実力をつけたかが問われています。

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