いまだ燻りつづける、わが国の領土問題

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ガス田問題にもつながる尖閣諸島

ガス田とともに日中間の大きな課題が、尖閣諸島です。この問題はガス田問題にもつながり、日中間の境界画定をより困難にしています。

尖閣諸島は、魚釣島(うおつりしま)、久場島(くばじま。別称、黄尾嶼(こうびしょ)など)、大正島(別称、久米赤島、赤尾嶼(せきびしょ)など)といった島々から成る無人の島嶼群です。そこが、1968(昭和43)年に国連アジア極東経済委員会による学術調査により、「東シナ海の大陸棚に豊富な石油資源が埋蔵されている」と報告されました。1970年代に入ると、中国は同諸島に対する領有権を主張し始めたのです。 

日本は、尖閣諸島といういずれの国家にも属していなかった島を、1895年の閣議決定により領土編入しました。しかし中国政府は、「日本の措置は対外的通告もなく無効であり、中国は明代より中国の台湾領土だったものを日清戦争で奪った」と主張しています。つまり尖閣諸島は、日本が領土放棄した台湾に含まれ、中国領に回復したと主張しているのです。

日本は、「同諸島は日本に主権が残される北緯29度以南の南西諸島の一部であり、1970年代に東シナ海の資源問題と関連して注目を集めるまで、中国を含めいずれの国からも、日本の尖閣諸島の領有に対する抗議はなかった」と反論しています。実際に尖閣諸島で活動を行っているのは日本です。法的にも実効支配を維持し、中国に対して日本の正当な権利を主張し続けなければなりません。石油が高騰する中、尖閣諸島がまた再び大きな日中間の論点になる可能性は大きいのです。

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