三菱電機、ルンバ対抗の“逆張り" 新型サイクロンで二兎追う

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2つ目が、排気クリーン度の高さだ。サイクロン部分とは対照的に、ゴミを集める集じん室の風速は低いほどゴミが舞い上がりにくくなる。モーター設計の工夫により、従来モデルの4分の1となる2m/sを実現した。これはたとえばライバルのダイソン社製モデルの26m/sと比べても明らかに低い。風が通るモーター室の前途に2種類のフィルターを設置し、ゴミの最終捕集力は99.999%ときれいな排気を実現した。これにより集じん室からのにおいも大幅に抑えている。

3つ目の軽量化についても、従来の4.9キログラムから3.8キログラムへと22%も軽くなっている。モーターフレームを鉄からアルミに変更し、1旋回室構造により本体設計もコンパクトになった。

ロボット掃除機も「しっかり検討」

サイクロン掃除機は、パナソニックや東芝、日立製作所、シャープといった国内勢に加え、イギリスのダイソンも人気を集めている。

しかし、三菱電機のシェアは「2ケタ%程度」(秋山氏)で上位には食い込めていない。今回の勝負モデル投入でどこまで挽回できるのか。新モデルの上位機種は市場想定価格が8万円で、月産2000台を見込んでいる。

掃除機市場全体に目を向けると、アイロボット社の「ルンバ」を筆頭にロボット掃除機の新製品が相次いでいる。三菱電機では、ロボット掃除機についても「しっかり検討している」(秋山氏)とするが、発売時期は明らかにしていない。横並びでなく、三菱電機らしいものを考えたい、とのスタンスだ。

前田 佳子 東洋経済 記者

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まえだ よしこ / Yoshiko Maeda

会社四季報センター記者

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