急上昇した日本株、今は冷静に見極めるべき 「円高リスク」は依然として消えていない

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安倍首相は以前から、改憲にきわめて前向きであり、それ自体がライフワークであるがごとく報じられてきた。もし、それだけであれば、誤解を招くかもしれないが、マーケットの面では、ある意味では大した話ではない。

だが、もしその裏にさらに何かしらの思惑があるとすれば、それは日本経済のみならず、世界経済や、ひいては世界の構造そのものに大きな影響を与えるのだろう。おそらく、日本政府が最終的に目指すのは「借金の棒引き」である。その手段がヘリコプターマネーなのか、あるいは別の手段になるのかは、今のところわからない。だが、われわれは国民としても投資家としても注視していかねばならない。

今は慎重に日本株の戻り局面を見極めるべき

今の局面で購入しておくべきなのは?(写真:TAKA / PIXTA)

今回、英国がEUを離脱するという、きわめて重い決断をした。こうした事態が引き金になり、今後、世界で様々なことが起きるとの見方がある。

しかも、日本が抱える問題である実質的な財政ファイナンス問題が結び付いたとき、結果としてどこかで猛烈な円安とインフレにつながるのではないかと危惧している。

ただ、そのような事態に発展するには、まだ相当の長い道のりがあるだろう。12日の日本株も続伸となりそうだが、それまでは、これまで通り、円高リスクに注意しながら、日本株の戻り局面を見極めることが優先されることになるだろう。

また、いずれ稿を改めて解説したいが、超長期的な視点で見れば、この局面では金を購入しておくことが、将来の資産保全における最善の策になりそうだ。

江守 哲 コモディティ・ストラテジスト

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えもり てつ / Tetsu Emori

1990年慶應義塾大学商学部卒業後、住友商事入社。2000年に三井物産フューチャーズ移籍、「日本で最初のコモディティ・ストラテジスト」としてコモディティ市場分析および投資戦略の立案を行う。2007年にアストマックスのチーフファンドマネージャーに就任。2015年に「エモリキャピタルマネジメント」を設立。会員制オンラインサロン「EMORI CLUB」と共に市場分析や投資戦略情報の発信を行っている。2020年に「エフプロ」の監修者に就任。主な著書に「金を買え 米国株バブル経済の終わりの始まり」(2020年プレジデント社)。

 

 

 

 

 

 

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