「REIT全54銘柄」の騰落率ランキング 首位は「星野リゾート」、本当の実力銘柄は?

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設立時の出資価格からの騰落率を見れば、各REITの実力、マーケットでの評価がわかる(写真:まちゃー / PIXTA)

REIT(不動産投資信託)に投資する難しさはいくつかあります。中でも初心者が戸惑うのが、各投資法人の違いやこれまでの不動産投資運用の実績、市場における評価がわかりにくい、といったことでしょう。

株式投資であれば、トヨタ自動車、ソフトバンクグループといった誰でも知っている会社はもちろん、名前を知らない会社でも、ホームページを見たり、会社四季報を開いたりすれば、何をやっているか、最近の業績はどうかなどおおよそのことは把握できます。ところがREITとなれば、どれも同じように見えて、手掛かりがないと思う人が多いようです。

新規上場時の公募価格から、投資口価格がどれだけ上下したかを計算すれば、それぞれの投資法人が市場でどのように評価されてきたかを知る目安とはなります。ですが、個々の公募価格や市場での初値は上場時の市場環境に左右されますから、すべての投資法人を横断的に比較することはできません。

投資法人の実力を示す「原初価格」からの騰落率

そこで唯一、使える手段と私が考えるのが、投資法人設立時の1口当たりの出資価格(「原初価格」とも称します)に対して、現在の投資口価格がどの水準にあるか、原初価格からの騰落率を調べる方法です。投資法人の資産運用がこれまで上手であれば、市場の評価を受けて設立時より投資口価格は上昇してきており、また今後も期待できるというのであれば、将来への可能性を織り込んで高くなります。

今回は、REITの全54銘柄を6月30日時点の投資口価格をベースに出資価格からの騰落率でランキングしたものです。ランキングの首位は「星野リゾート・リート投資法人」です。上場してからは、まだ3年と新しい投資法人ですが、これまで高い分配金利回りを出し続けてきており、持っている投資家がなかなか手放そうとしない人気の銘柄です。

騰落率に加え、「投資用途」、「上場時期」、「時価総額」、「格付け(投資法人債の発行体格付け)」、「主要スポンサー企業名」、「(次期の)予想分配金利回り」を表示した。この記事の最後には、各項目が投資法人の人気、実力、市場評価を示す騰落率とどう関係するか説明していますので、参考にしてください。

次ページ各投資法人の順位と「投資用途」などの関係は?
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