グリー、ゾゾタウンの正念場 有力ネット企業トップが語った「強気」と「弱気」(下)

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企業の収益追求と社会性のバランスという点では、13年もネット業界は引き続きソーシャルゲームの健全化が重要なテーマとなりそうだ。

「モバイルソーシャルゲームの世界覇者となるために必要なことは何か?」というテーマの別のセッションにて、DeNAの小林賢治取締役(=写真中央=)は、以下のようにコメントした。

「ソーシャルゲームはユーザーに安心に使ってもらうことで、デベロッパー(制作会社)、クリエイター(制作者)に投資余力が生まれる稀有なエコシステムを生んだ。他のエンターテイメントのコンテンツがなしえなかったことであり、スタジオが高い権利を有するハリウッドと同じ構図だ」

「ソーシャルゲームが誕生してから数年で4000億~5000億円の市場規模に育ったことは、人類史上初の快挙と言える」

未成年への課金など、論点残す

確かにソーシャルゲーム業界の成長ぶりは目覚ましい。ただし、起点となる「ユーザーに安心に使ってもらうこと」という点では、努力余地が多い。グリーは未成年への超過課金が問題となったが、そもそも業界として未成年への課金を認めるべきか、認める際の利用時間を制限すべきかなど、論点が残されている。

リアル・マネー・トレードと呼ばれるゲーム上のアイテムの金銭売買もヤフーオークションなどを通じ頻繁に行われており、成年も含めた健全化がなお求められている。

現在急成長を遂げている、LINEをはじめとしたメッセンジャーサービスも対岸の火事ではない。未成年出会い系の温床とも指摘されており、対応を怠れば失速する可能性もある。

急成長を果たしたゆえにネット経営者の「強気」と「弱気」が漏れたIVS。次回は5月に開かれる。ネット業界の健全化について、もう一段踏みこんだ議論が行われることを期待したい。

二階堂 遼馬 東洋経済 記者

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にかいどう りょうま / Ryoma Nikaido

解説部記者。米国を中心にマクロの政治・経済をカバー。2008年東洋経済新報社入社。化学、外食、ネット業界担当記者と週刊東洋経済編集部を経て現職。週刊東洋経済編集部では産業特集を中心に担当。

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