最高のプロレスが再度、日本を勇気づける 木谷高明・新日本プロレス会長に直撃(その4)

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木谷:同ジャンル、近いジャンルとして考えれば、やっぱり(米国のプロレス団体である)WWEとUFCですよね。

UFCも本当に勃興してきたのは2002~03年ぐらいからです。それから10年間ぐらいかなり苦労して、オーナーも代わっています。PRIDEをかなり参考にした部分もあるんじゃないかと思います。PRIDEはアメリカで人気高いんですよ。いまだに放送していますから。

キム:昔の試合をですか?

木谷:12年にFOX(フォックス)テレビがUFCからテレビ放映権を9000万ドルで買いましたが、その中にPRIDEの映像まで入っているんです。アメリカに行ったとき、偶然テレビに桜庭和志選手が映っていましたよ。

UFCとWWEもちょっと競い合っているところがあります。テレビの規制がどんどん厳しくなっているので、(見た目の危険度が高い)攻撃があんまりできなくなっているんですよ。そのため、WWEは試合がつまらなくなって、今はお客さんが離れていっています。

UFCの日本進出は本当に嫌

キム:最近のWWEの決算書を見ると、売り上げが落ちてきていますね。

木谷:WWEもやばいですよね。それと、ストーリーがつまらない。キャラという点でも、スーパースターが出てきてません。そういう意味では新日本はチャンスかな、と思います。でもUFCが日本に上陸するのは、本当に嫌ですね。

キム:つまり、プロレスに対して“最強”を求めている客がUFCに行ってしまうおそれがあると。

木谷:人気が出る可能性がある。僕はPRIDEの試合は3分の2ぐらい行っていますが、それはイベントとして面白かったからです。

PRIDEはイベントの盛り上げ方がうまかった。どうやったらお客さんに満足してもらえるかをすごく考えてやっていました。それは今の新日本も同じだと思うんです。つまり、プロレス系、格闘技系で、新日本のほかに面白いイベントができてしまうことが怖いんですよ。

キム:なるほど。UFCはそれができると。

木谷:あと、今は内部のライバルについて言いましたけど、外部はやっぱりサッカーや野球をライバルと考えるべきですよ。横浜DeNAベイスターズの売り上げが約80億円ですから、それは抜きたいですね。

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