3年で黒字に転換させる 春田真・横浜DeNAベイスターズオーナー
2010年から続いた球団売却騒動がようやく決着し、「横浜DeNAベイスターズ」が誕生した。TBSホールディングスから球団を買収したのはソーシャルゲーム「モバゲー」で急成長しているディー・エヌ・エー(DeNA)。毎年20億円以上の赤字を垂れ流すベイスターズをなぜ買収したのか。本業との相乗効果は出せるのか。新オーナーとなった春田真会長に聞いた。
──プロ野球に参入した理由は。
企業の認知度向上という点で、非常に効果が大きい。球団名にモバゲーを入れることは認められなかったが、横浜DeNAベイスターズでも十分インパクトはある。これまでモバゲーは知っていても、DeNAという社名を知らないという人が多かったからだ。
プロ野球参入が報じられるようになった9月以降、それまで限定的だったマスコミへの露出が増え、一般紙やスポーツ紙などにも幅広く取り上げられるようになった。シーズンが始まればなおさら、DeNAの名前が継続的に出る。
認知度が高まれば、約3500万人いるモバゲーの会員数の拡大が見込める。特にARPU(月一度以上利用するユーザーの月間利用額)が高い30代以上の男性は、20代以下よりプロ野球への関心が高い。つまり、プロ野球への参入は、購買力のある30代以上の取り込みに効果的だ。
モバゲー以外の新しいサービスを展開する際も、DeNAの名前が知られていれば、断然有利だ。