校長の給料は安すぎる。1500万円でもいい 藤原和博(その8)

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教師同士で結婚すれば、年収1500万

渡邉:藤原さんから見て、教師をやりたい人にとって、教師という職業はお勧めですか。年収は、東京だと40代で800万円はいくでしょうから、普通以上の生活ができますよね。

藤原:地方だとかなり良い生活ができる。教師同士で結婚したら、年収1500万円とかも。家があれば、可処分所得が大きいでしょ。だから教師はやめられないんですよ。校長になるより、教師のままのほうがいい(笑)。

しかも、地方であれば、先生は今も尊敬されている。地方で地銀や農協が採用を絞っている中で、市役所が頂点になっているけど、教師は市役所の次くらいの位置にある。

渡邉:そうなってしまっているんですね。やっぱり、地域によっては教員の数を減らすべきですか?

藤原:むしろ増やしたほうがいい。災害救助予備隊のような準公務員として、準教員を増やしたほうがいい。教員はやりがいのある仕事だから。

渡邉:準教員は、年収300万円くらいですか。

藤原:そうですね。200万円〜400万円でいいんじゃないですか。

渡邉:そうすると、やっぱり正規の教員の給料は少し下げたほうがいいんじゃないですか。東京でも40代800万円というのは、高い気がしますけど。

藤原:下げたほうがいいというか、下がるでしょうね。ただひとつ言いたいのは、学校の編集長である、校長の年収が低すぎる。

渡邉:それは、そうですね。

藤原:たとえば、大阪の校長公募でも、年収は40代700万円台、50代で800万円台なんですよ。

渡邉:え、そんな安いんですか。

藤原:そうなの。この額では、民間からいい人材が押し寄せないんですよ。決して低くはないけど、高くもないから。だからある意味で、意気に感じてやるという人しかできない。もちろん、校長への転職が、年収が上がる転職である必要はないんだけど、校長の仕事は東京の感覚からすると1200万円〜1500万円あってもおかしくないくらいの責任のかかりようだと思うんですが。

渡邉:ただ、学校の先生や校長が民間の塾で働いたら、今と同じくらいの給料をもらえるかといえば、そうではない人材も多い気がします。

藤原:そうかもしれない。意外と私立の学校も年収は低いんだよね。

渡邉:もうちょっと競争原理が働いてれば、給料が高くてもいいんですが、規制によって雇用が完全に守られている現状では、ちょっと高すぎる気がします。だからみんな公務員になりたがってしまう。たぶん、国民がみんな公務員になりたがる国は、ギリシャみたいになってしまいますよ。

藤原:だから根底から公務員改革をやらないといけないよね。

(撮影:梅谷秀司) 

渡邉 正裕 My News Japan編集長

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わたなべ まさひろ / Masahiro Watanabe

ニュースサイト『MyNewsJapan』(mynewsjapan.com)のオーナー、編集長、ジャーナリスト。1972年東京生まれ。慶應義塾大学総合政策学部卒後、日本経済新聞記者、日本IBM(旧PWCコンサルティング)のコンサルタントを経て、インターネット新聞社を創業。一貫して「働く日本の生活者」の視点から、雇用・労働問題を取材、分析、提言。単行本は『企業ミシュラン』シリーズのほか、『10年後に食える仕事食えない仕事』『若者はなぜ「会社選び」に失敗するのか』など多数。
ツイッター: @masa_mynews
ブログ: www.mynewsjapan.com/blog/masa
連絡先:masa@mynewsjapan.com

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