今さら聞けない「確定拠出年金」基本中の基本 その仕組みを知って老後資金対策を考えよう

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知っておいて損はありません(写真:さわだ ゆたか / PIXTA)
あなたは「確定拠出年金」をご存じですか? 「名前はなんとなく見聞きしているが、実際のところは正直よくわかっていない」という人は少なくないでしょう。
確定拠出年金が導入されたのは2001年10月。約15年が過ぎましたが、厚生労働省によればその加入者数は今年3月末時点で労働力人口の1割弱に当たる約574万人と、まだまだ普及は不十分です。
一方、老後の資金を考えるうえで、この確定拠出年金を理解していないのはもったいないかもしれません。『「なんとかなる」ではどうにもならない定年後のおカネの教科書』の著者であり、ファイナンシャルプランナー・公的保険アドバイザーの山中伸枝氏が解説します。

 

公的年金に上乗せされる厚生年金基金や適格退職年金など、従来の企業年金制度は給付額が約束される特徴があるものの、現行の企業年金制度が中小零細企業や自営業者に十分普及していないことや、離転職時の年金資産の持ち運びが十分に確保されていないなどの問題があります。

確定拠出年金はこれに対して公的年金に上乗せされる部分の新たな選択肢として導入されました。毎月の掛金が個人ごとに明確に区分されて、掛金とその運用収益の合計額を基に年金給付額が決定し、老後に受給できる年金です。会社が行っている「確定拠出年金企業型」と個人が任意に加入できる「確定拠出年金個人型」の2種類があります。

節税しながら自分年金をつくれる

確定拠出年金を導入している会社にお勤めの人は企業型へ、確定拠出年金を導入していない会社にお勤めで、会社にその他企業年金(厚生年金基金、または確定給付企業年金)がない人と、自営業などの国民年金加入者は個人型に加入することができます。2017年1月より、専業主婦や公務員も加入できるようになります。

掛金の運用というと資産が減るリスクを気にする方もいますが、リスクを取った資産運用だけではなく、元本が保証された定期預金での積立もできるので、リスクをとりたくない人でも安全な資産運用が可能です。

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