(第4回)温暖化で期待される金融の活躍~私たちがお金の流れを変える

●日本の金融界の奮起を

 日本の金融もここへ来て変化しました。10年、いや5年前には考えられなかったほどに環境問題に取り組みを始めました。でも世界の動きと比べると、日本の金融は遅れています。世界の課題である温暖化問題でもっと頑張ってほしいと願っています。

サブプライムローン(アメリカの信用力の低い個人向け住宅融資)問題の処理で、世界の金融が動揺しています。その中でアメリカの代表的金融機関が中国や中東などの外国から出資を受けいれました。それを見ながら私は日本の銀行の不良債権処理を思い出しました。
 かつてバブルの崩壊で不良債権に悩んだ日本の金融機関は公的資金を投入してもらい、なんとかその処理を進めることができました。税金の投入に極めて厳しいアメリカの金融機関とは異なり、日本の銀行は自国民の皆さんに救われたといっても過言ではありません。とすれば、いま健全な姿に戻った銀行が、そのときの「恩返し」をどうするのか。温暖化対策に取り組むことは正にその恩返しになるのではないでしょうか。

 「温暖化を止めなければならない」。これは国民全員の願いです。金融界で働く人も勿論そう考えているはずです。社会のお金の流れを変えて温暖化を止めよう。皆さんの意志と金融の力が結びつけば、「低炭素社会」の実現は決して難しい事ではありません。

末吉竹二郎(すえよし・たけじろう)
国連環境計画・金融イニシアチブ(UNEP・FI)特別顧問。日本カーボンオフセット代表理事。1945年1月、鹿児島県生まれ。
東京大学経済学部卒業後、三菱銀行入行。ニューヨーク支店長、同行取締役、東京三菱銀行信託会社(ニューヨーク)頭取、日興アセットマネジメント副社長などを歴任。日興アセット時代にUNEP・FIの運営委員会のメンバーに就任したのをきっかけに、この運動の支援に乗り出した。企業の社外取締役や社外監査役を務めるかたわら、環境問題や企業の社会的責任活動について各種審議会、講演、テレビなどを通じて啓蒙に努めている。
著書に『日本新生』(北星堂)、『カーボンリスク』(北星堂、共著)、『有害連鎖』(幻冬舎)がある。
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